藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

御用達にたどり着くか。

ネット上の検索の「程度」がそろそろ問題になり始めている。
もうすでに、自分のブラウザの中でも必要以上に「コーヒー」とか「日本酒」とか「マンション」とか「居酒屋」とか「ワイン」とか、そりゃ関心はなくなはいけれど、そうしょっ中促されたくはない、という検索誘導はかなり賑やかである。

グーグル・ナウ、などとも喧伝されているが、その神髄はいわゆる「お得意様の御用達接客」にある。
つまり、「決して押し付けたり、不快な思いをさせず、しかも客のツボを捉えて"必ず引き取らせる"」というような極意である。

今のネットのアフィリエイトにはそれが足りない。
数打ちゃ当たる、という広告では、消費者は「どうせそんなものだろう」と瞬時に見抜いてしまうのである。

行きつけの店の亭主が「今日はこれでどうです?」というお勧めの迫力とは一線を画す。
ネットが今後本当に日常生活に密着できるかどうかは、いわゆる「ビッグデータ」がこうした「真の商売人を標榜できるかどうか」にかかっていると思う。

今のテクノロジーからすれば、十分実現できると思うが、それには「損して得取れ」とか、「敢えて進めない美学」のようなものもマーケティングに取り入れていかねばならない。

なかなかどうして、商いの神髄はまだネットには移植されていない。
本当の核心を取り入れた企業こそがECの勝者になるだろう。


msnより。

進化するネット検索“先回り”と“つながり” 利便性と個人情報、課題
2013.5.12 22:43
インターネットの「検索」が進化している。従来のキーワード検索以外にも、利用者が“知りたい情報”を先回りして表示したり、交流サイトでのユーザー同士のつながりを活用して人や場所を調べたりと新サービスが登場。一方、「調べられたくない情報」をめぐる問題も浮上し、利便性とプライバシーとの「線引き」が模索されている。(三品貴志)
「自宅まであと◯分」「近くの映画館で上映中の映画は○○○」-。昨年秋、グーグルがスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末向けに提供を始めた「Google Now(グーグル・ナウ)」は、過去の検索履歴や位置情報などを解析し、利用者ごとに最適化された情報を先回りして案内するサービスだ。4月末には米アップル社の端末にも対応。グーグル日本法人は「従来の検索と違って文字を打ち込む作業を必要とせず、知りたいときに知りたい情報を得られるサービスの第一歩」と説明する。
フェイスブックも1月、利用者情報を生かした「グラフ検索」の試験版を発表。日本では未定だが、人や場所など4分野で「同じ出身地でサッカー好きな人」「友人が行ったことがあるニューヨークのバー」といった検索ができる。
ITジャーナリストの林信行さんは「どちらも利用者一人一人のニーズにあった検索結果を提供することに注力しており、利用者から集積したデータが、こうしたサービスを可能にしている」と話す。
利用者の行動履歴をはじめとするネット上の膨大な情報は「ビッグデータ」と呼ばれ、活用法が注目されている。ただ、その取り扱いには明確なルールがなく、政府が指針作りを協議している段階。現時点では、進化する検索サービスと個人情報をめぐるトラブルも少なくない。
東京地裁は4月、グーグルの検索窓に関連語を自動表示する「サジェスト機能」で犯罪への関与を連想させる単語が表示され、男性の名誉を傷つけたとして、同社に表示差し止めを命じた。「機械的に抽出された単語を並べているだけで責任を負わない」とするグーグル側の主張は退けられ、グーグル側は控訴している。
これとは別に、「企業や個人から『不名誉な検索結果を消したい』という相談は多い」と明かすのは、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策に詳しい神田知宏弁護士。検索結果を“操作”し、特定記事の表示順位を下げる「逆SEO検索エンジン最適化)」サービスをうたう業者も存在するという。
EU欧州委員会は昨年、ネットに拡散した個人情報の削除を本人が請求できる「忘れられる権利」を提唱した。ただ、表現の自由との兼ね合いから賛否はわかれている。
前出の林さんは「プライバシーをさらすことで得られる情報もあり、人によって個人情報に対する意識は異なる。訴訟などを経て『線引き』が明確になるには、十数年の時間が必要ではないか」と話している。