藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

幼児教育無償化300億。

ビジネスの世界ではノーワーク・ノーペイなどと言うけれど、政治の世界では「財源の見えない話」がよく持ち上がる。
仕事の上で「まだ予算のめどはありませんが…」などと話をすると「夢物語を言うな」とたちどころにはね付けられるのがオチである。
売上があるか、予算があった上で話をせねば、少なくとも「アイデアの交歓会」でもない限りは現実的とは見てもらえないものである。

前政権の○○手当、なども典型だったがそれにしても「こういうものがあったら国民に資する」という発想はいいけれど、「けれど財源はないケド」という話は始末が悪いと思う。
華はないけれど、「取り組まねばならない課題」は山積みである。
最たるものは年金と保険である。

この、もう確実に何らかの破たんを来す(あるいは際限なくレベルを下げる)しかない問題に向かわずして国民の歓心を買おうというのは最もあってはならないことではないだろうか。

むしろ、むしろ"その問題一つだけ"でもいいから解決の道筋をつければ、その政権の果たした役割は非常に大きい。
本当にいま国民が願っているのはそういうことなのである。
「クリーンエネルギー産業で経済を浮揚し、雇用を作って国民を食わす」という画餅ではなく、「経済成長ありきでなくとも、少なくとも"飢餓不安から国民を解放する"という一点突破を実現すれば、消費や経済活動も大きく態様が変わって活気が出てくるだろう、というのは多くの専門家も指摘しているし、自分もまったくそう思う。

老後に必要な生活費三千万円、などと週刊誌の日常の見出しになっているが、まずこの点にどう処すか、が政治家の最大のテーマだろう。
政権を狙う野党は目いっぱいこの点を突いて、政策提言をしてもらいたい。
またそれには政治家レベルでは小粒だから、パーティ全体でこの「一点押し」をするべきだと思う。
マニフェストは総花でなくてよいのである。

幼稚園、第3子は無料案 文科相意欲、300億円必要
 自民党が公約した「幼児教育無償化」について、下村博文文部科学相は4日、「2014年度からスタートすべきだ」と述べ、来年度からの対象拡大に意欲を示した。関係閣僚と与党担当者の会議を6日に開き、案を固めるという。下村氏の指示で、文科省は幼稚園の保育料を第2子は半額、第3子は無償にする案をまとめたが、財源確保の見通しは不透明だ。
 下村氏は4日の記者会見で述べた。6日の会議には森雅子少子化相や田村憲久厚生労働相らが出席する。
 文科省の案は、2人以上の子どもがいて、うち1人以上を幼稚園に通わせる世帯が対象。世帯年収にかかわらず、原則として幼稚園の保育料を第2子は半額、第3子以降は無料にする。補助対象は現行制度の800人から約30万人に増え、必要財源は約300億円と見込まれる。
 与党は、保育園なども含む全ての施設に通う3〜5歳児の保育料無償化を目指すが、約7900億円とされる財源確保は難しい。参院選を前に、政権内で「公約の成果が必要」との声が高まり、段階的な実現に向け、今回の案が浮上した。
 案には、保育所と幼稚園の補助の差をなくす狙いもある。現行制度では、幼稚園児の補助には所得制限があって第2子の家庭負担割合も高いなど、保育園児より補助対象が狭い。「幼保の格差是正」という大義名分で一定の成果を示し、15年度以降の無償化拡大につなげたい考えだ。
 財源300億円の負担割合は、国が100億円、地方自治体が200億円。省内では「財務省と(地方行政を所管する)総務省がのむはずのない案だ」と悲観する声が少なくない。