藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

問題の核心。

政権与党が参院選も一息つき、いよいよ消費税の増税に揺れている。
アベノミクス、という金融緩和の成果を「はっきり確かめずして、今景気を減速させてはならない」という論調が強い。
こうした政治家の発言とか、与党の公約というのは実によく変化する。
まるで「猫の目」のようにクルクルとその言説を変えるのが常套である。

このことの核心は「誤謬」でしかない。
「景気が減速する」とか
「まだ効果が不明である」とかの"前節"を付けて、「そもそもの結論をひっくり返す」というやり方である。
つまり「その時々の発言は一見正しい」のである。
それが「そもそもどうしてそうなったのか、大方針は歪んでいないか」という検証はあまりなされない。

こと、この国の財政問題で言えば、まず「国の債務不履行が回避できるくらいの見通し」を立てねば、いずれどのような公約も破たんする。
それを「来年は業績が必ず上向きます」というのは、窮地に陥った経営者が金融機関にする説明の言葉となんら変わらない。
「わが社はまだまだ借金ができます。なぜなら国民の資産がありますから」とか
「今年、いろんな策を打っています。来年は効果がでますから」とかいう話が実を結んだというのは寡聞にして聞かないのである。

最近の米国も財政再建には四苦八苦のようだが、今を乗り切るために「最も重要な構造改革」を先送りすべきではないと思う。
これからの社会に必要な税制と、行政コストについてここ数年で大決断をせねば、財政の破たんは避けられないだろう。

我われも消費税の税率報道に、いちいちキョロキョロしている場合ではないのである。

1年待て・年1%ずつ増税も…本田内閣官房参与
安倍首相の経済政策ブレーンの本田悦朗内閣官房参与は18日のNHKの番組で、2014年4月からの消費税率引き上げについて、「デフレから今、脱却しつつあるその瞬間に、消費税を増税するのはいかにもタイミングが悪い。1年間待ってほしい」と述べた。

また、1年に1%ずつ税率を引き上げ、5年かけて10%とする案も提案した。

本田氏は「(民主、自民、公明の)3党合意の時には(首相の経済政策)アベノミクスの『ア』の字もなかった。もう一度日本にとって一番良い政策を検討すべきだ」と語った。

(2013年8月18日18時59分 読売新聞)