藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

インターネットの中で。

米の通信傍受問題で、結局世界中のインターネットや携帯電話が傍受されている、というこが明るみになりそうである。

日本などでは、通信の海外ケーブルが、まずは太平洋を渡り、アメリカを経由してから再びユーラシア大陸、南半球などへとデータを運んでいることは周知の事実だったのだけれど、それにしても改めて「インターネットはオープンを標榜しているが」、実はオープンではなく「特定の経路を走る必要があり、それが傍受されている」ということが改めて明るみに出たということである。

それがテロやセキュリティのためとはいえ、今の秘密保護法案のような話になるでもなく、半ば公然と「アメリカのスタンダード」という姿勢が、いかにも米国らしい。

究極の安全か、あるいは情報統制か。
今後もこの問題は議論の的になるだろうが、「世界各国の政治首脳たち」は最終的には"わが身に利する"ということをタブーにして、情報の監視と傍受を続けざるを得ないのではないだろうかと思う。

テクノロジーが進む社会に、政治も同適合してゆくか、ということがこれから試されるのであり、またそこで「正しい情報のトリートメント」が示されてこそ、次の世代につながるに違いないと思う。

大衆にことわることなく、まず傍受ありき、というのは賛成しないが、これからのネットあり方を一般市民も考えて、選択していかねばならない時代が来ているのではないだろうか。

米の傍受、海底ケーブル通じ NSA、全世界の通信対象
 【渡辺丘、田井中雅人】米国家安全保障局(NSA)が少なくとも三つのプログラムを組み合わせることで、インターネットや携帯電話などのほぼ世界中の通信記録を対象に収集、分析していたことがNSA元幹部らの証言でわかった。米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン元職員が内部告発した活動の全体像が浮かび上がった。
 朝日新聞はNSAで実際に通信傍受などに携わった元職員6人に米国でインタビューした。
 それによると、NSAは「アップストリーム」というシステムを使い、サンフランシスコやニューヨークなどの付近で主に海底の光ファイバーケーブルの情報を直接収集していた。北米には基幹ケーブルなどのネット設備が集中し、世界各地域から送信されるデータの8割以上が経由する。こうした利点を活用し、情報を写し取るものだ。
 NSAを巡っては、グーグルやフェイスブックなどの通信事業者の協力を得て業者のデータベースから情報を取り込む「プリズム」が明らかになっている。アップストリームはプリズムの情報と合わせ、通信時刻や相手先といった「メタデータ」を集めていた。この二つのシステムで、ほぼ世界中の通信データを集めることができるという。
 さらに「エックス・キースコア」(XKS)と呼ばれるプログラムは、メタデータだけでなく、メールの内容やサイトの閲覧履歴などまで収集できる。アップストリームやプリズムで得たデータから特定の調査対象者をあぶり出し、中身も傍受していたとみられる。
 NSA元幹部で2001年まで分析官を務めたウィリアム・ビニー氏(70)は「アップストリームで光ファイバーの情報をリアルタイムで集め、足りない部分をプリズムで補った。その情報をもとに傍受対象者を絞り込んだ。XKSを使えば情報の中身も見られる」と証言。米国民を含む、ほぼ世界中のネット利用者が対象だったという。ほかの元幹部もこうした仕組みを認めた。
 一方で、3年前にNSAのナンバー3で退職したリチャード・シェーファー氏は「メタデータをもとに通信のパターンをつかめば、テロリストのつながりがわかる。許可無く通信の中身までは見ていない」と説明している。