藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

欲しいものを考えよう。

ゾゾタウンでファッションブランドの情報や着こなしを提供するアプリが開発されたという。
通販はここ数十年でもっとも発展したネットビジネスの一つだが、まだまだ工夫の余地はある。

例えば、自分の着こなしについての見立てとか、また自分が着て見た様子も、ネット上ではかなり制約がある。
さらに服どうしの価格の比較ねというのもかなりやりにくい。
原因はアパレルという、しばしば「鮮度品」にも例えられる足の速さにもあると思うが、だからこそ「そういうもの」にITを利かせることによってこれまでにないサービスが生まれる可能性があるのだと思う。

時間があったら自分で開発しようと思っているのだが、どうせスーツを着て仕事したり、ジーンズで街へ出かけるのならよりスマートな出で立ちがいいし、気分だって変わるものである。

特に「年寄りほどおしゃれすべし」という格言通り、年を取るほど身ぎれいにしていたいものである。
やはり「衣食住」にはまだまだITの活躍の余地がありそうで、そんな視点で少しずつアイデアを現実に変えていきたいと思っている。

ゾゾタウン「WEAR」の衝撃 着る楽しさ再発見 (村山らむね)
「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイが始めたスマートフォンスマホ)の新アプリ「WEAR(ウェア)」。早速、パルコで体験してみた。
《ポイント》
(1)消費者からみたWEARの魅力は着る楽しさの再発見にある。
(2)WEARと店舗の共存には店員の接客力と発信力の向上がカギ。
(3)WEARはO2Oにとどまらない本質的なアプリに育つ可能性も。
WEARを体験できる池袋パルコ(東京都豊島区)
 消費者から見たこのアプリの魅力を3つに絞って紹介したい。まず、いいなと思った商品を使ったコーディネートが簡単に見られる。店舗では今シーズンの組み合わせをマネキンに着せたり、スタッフが着たり、ブランド都合の情報提供がなされる。WEARでは実際に購入した人などによる自由なコーディネートを見ることができる。「こんな着かたがあるのか」「こんな靴と組み合わせるのか」など深い情報が得られる。
 2つ目はスタイリング発信の楽しさ。売り手や雑誌のスタイリスト中心の発信に買い手も関われる。すでにたくさんのフォロワーをもつ人気の「スタイリスト」が登場している。クックパッドで市井の料理研究家が見いだされ、レシピ本を出版するようなスターも誕生した。同じように身近だからこそまねしたい、参考にしたいと思わせる、発信力の高いスタイリストがWEARを舞台に生まれ、毎日のコーディネートを日記代わりにWEARにアップすることで、自己表現の楽しさやファッションの面白さを発見する人も出るだろう。
 3つ目は買えることだ。目の前に商品があれば店舗で購入できる。だが希望のサイズや色がなく、店舗に再来店できず、今週中にも入手したいというときは便利だろう。店舗内では様々なブランドの気に入った服のバーコードだけを読み込んでおき、帰ってからゆっくりコーディネートを参考にしながら購入することも可能だ。ただ体験した感想では、スタッフに話しかけられて試着までして購入は断った上で、後日WEARで購入するのは多少背徳感がある。
このアプリが畏怖されているのは、あらゆる店舗空間がゾゾタウンのショールーム化してしまうのではないかという店舗側の不安からだろう。では店舗はどうWEARと共存できるのだろうか。
村山らむね氏
慶応大学法学部卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経て、消費者目線のマーケティング支援のスタイルビズ設立。企業のソーシャルメディア運営やeコマース関連のアドバイザーを務める。経済産業省消費経済審議会など各種委員を歴任。ブログ「らむね的通販生活」(http://www.lamune.com)は18年目に突入した。働くママの目線での「ワーキングマザースタイル」(http://www.wmstyle.jp)を主宰。趣味はフラやヨガ、ホームパーティーファイナンシャルプランナーとしても家計相談を受け付けている。


 何より店舗スタッフの一層の接客力と発信力を高めることだ。最近は店舗ごとのTwitterやブログ、LINE@などのソーシャルメディアを使った情報発信が始まっている。高校生の私の娘が好きな店舗には、頻繁に情報発信する憧れのスタッフがいるらしく、店に入るとそわそわしながら彼女を探している。来店する前にすでに身近な存在になっているのだ。そんなスタッフの発信基地としてもWEARは機能する。
 業界としてもWEARとタッグを組み、このコミュニケーションプラットフォームを通じて共感を増幅させることで、アパレル産業のパイ自体を大きくしていく視点も必要だろう。着ることを多くの人に見てもらい、その楽しさを存分に実感してもらう。それをWEARで実現していくのである。
 WEARには現在、スタイリングを投稿する一般ユーザーへのインセンティブは設定されていない。今後は流通に寄与したスタイリストにはポイント還元やアフィリエイトなどの仕組みを作っても面白い。そうすれば今まで以上にプロのスタイリストたちが参戦するだろう。またモデルの登竜門になる可能性もある。
 商品を生み出すブランド、商品体験を提供する店舗、スタイリングという商品情報を提供するユーザー、共感プラットフォームのWEAR、物流プラットフォームでもあるゾゾタウン。これらがゆるやかなスクラムを組むことにより、着ることの楽しさを実感させる本質的なアプリケーションに育つ気がする。単なるO2O(オンライン・ツー・オフライン)アプリと捉えるだけではもったいない。
日経MJ2013年11月29日付]