日経ワシントンの記事より。
米NSAの一連の盗聴などの話が何となしに「事後問題化」している。
盗聴などの「細部は大統領は知らなかった」という小学生のような説明と、「これからの提言」という一見前向きな話で事態を流してしまおうというような感じが見え見えで、これでは都知事問題となんら変わらない。
それでもこうした議論を深めよう、とする辺りがアメリカの回復力で、"人のうわさも七十五日"を政治家からして地で行く、というのが日本の政治の最大の誤謬であると思う。
誰だって人のミスや罪を徹底的に追跡する、なんてのは後ろ向きな作業であり、面白くも(いや建設的で)なく、根気のいる話だが、根元の掃除を徹底的にやる習慣を持っていないと、「いつまで経っても片付かない部屋」を作り出してしまうことになる。
問題は年金とか、税金とか、選挙制度とか、憲法問題とか原発とか、"常に形を変えて"やってくる。
その度に「わぁ、新しい問題だ」と号令していては、構造は何も変わらない。
日本の特定秘密保護法関連の議論も、今はマスコミで活発だが三ヶ月後が要注目で、新聞の見出しが「消費税増税あれこれ」一色になっていないかどうか、一読者としてもウォッチしていかねばならない。
特に若い人にはそういう視点をぜひ持ってもらいたいのである。
米情報収集の見直し提言 通話記録「保管は民間で」
諮問委が報告書2013/12/19 11:25ニュースソース日本経済新聞 電子版
【ワシントン=中山真】米国家安全保障局(NSA)による情報収集活動の見直しを検討してきた諮問委員会は18日、報告書を公表した。テロ防止などを目的とした情報収集の必要性を認める一方、大量の市民の電話通話記録を政府が収集・保管する体制の見直しなどを提言。オバマ大統領は提言を精査し、2014年1月にもNSA活動の見直し方針を決める。
オバマ米大統領は来年1月にもNSA活動の見直し方針を決める(米メリーランド州のNSA本部)=AP
諮問委員会は、米中央情報局(CIA)元職員が暴露したNSAの広範な情報収集活動に批判が高まったことを踏まえ、プライバシー保護などの観点から改善策を検討。300ページ以上の報告書に46の提言を明記した。オバマ氏は「プライバシーの尊重と米国の国家安全保障の確保は両立できる」と強調した。
報告書は、現在米政府がメタデータと呼ばれる市民の通話記録の付随情報を通信会社から収集・保管している体制について、データの保管はあくまでも通信会社や第三者機関に委ねるべきだと指摘。国家安全保障の維持などに必要な場合のみ、政府が民間企業のメタデータを解析する体制に移行すべきだと提言した。さらに政府が将来の調査などに備えて、米国に住む民間人の情報を蓄積することは禁じるべきだとの立場も示した。
ドイツのメルケル首相ら外国首脳を対象としたNSAの盗聴活動については、これまでオバマ大統領も実態を知らなかったと説明されてきた。報告書は「情報収集の条件や方法に関してハイレベルで承認する新たな手続きを導入すべきだ」と指摘。情報収集を判断する場合も、首脳が実態を知った場合の悪影響について検討しておく必要があると指摘した。
NSAの機構改革では、米軍の制服組が務めているNSAの局長ポストに民間人を充てることを検討すべきだと明記。サイバー攻撃などを担当する米軍サイバー司令部のトップがNSA局長を兼務する現在の体制を変えるべきだとも強調した。ただ、米政府側はこの提案に消極的な考えを示しているという。