藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

思考停止の連鎖。

安保法案が成立したが、賛成にせよ反対にせよ「実にはっきりしない内容についての是非になっていること」が問題だと思う。

事態を助長しているのはマスコミだ。
街頭で「子供たちが将来、戦争に駆り出されたら賛成できますか?」とか
「戦争している米国に加担できますか?」とか実に極端な質問しかしない。
国会前のデモで驚いたのは「戦争反対!」というスローガンの繰り返しである。

何か集まっている人たちは「戦争するかしないか」という、しかも前提条件のない問いに対して、ただひたすら反対の反応をしているように見えた。

日本人は「総括しない民族だ」とよく言われるが、今回を契機に「戦争と自衛」というテーマについては、米国との関係とか共産国との関係をどうするかを踏まえて、(東京裁判の是非はともかく)一度けじめをつけておく時期に来ていると強く思う。

戦争経験者がどんどん減少している今、過去の侵略行為とか、被爆とか敗戦とかについて、「日本の国意としての見解」をぜひまとめることを政治家にはお願いしたい。

このまま毎年のように靖国がどう、河野談話がどう、村山談話がどう、とオウムのように繰り返していても、リアルな体験者はどんどん他界し、イデオロギーとか我欲でものをいう人の道具になるだけではないだろうか。

マスコミは「安保法案賛成?or反対?」とか内閣支持率の動向とかばかりを取り上げるのではなく、一般市民に「安保法制とか、憲法とか、太平洋戦争」などの問題点を浮き彫りにし、それを問いかけることこそが本分なのではないだろうか。
今のタイミングで"安保法反対51%"などの統計を取って報道しても、全く本質の議論には結びつかないと思う。
論点を整理し、右も左も広く選択肢を提示するのがマスコミの役割のはずである。

安保法、反対51%・賛成30% 朝日新聞世論調査2015年9月20日23時22分


 安全保障関連法が19日未明に成立したことを受け、朝日新聞社は19、20両日に全国緊急世論調査(電話)を実施した。安保関連法に「賛成」は30%、「反対」は51%で、法律が成立してもなお反対が半数を占めた。国会での議論が「尽くされていない」は75%、安倍政権が国民の理解を得ようとする努力を「十分にしてこなかった」は74%に上った。