藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分に大事なこと。

この時期ちょくちょく就職の相談がある。
もう十年くらい就職とか転職の悩みを聞いているけれど、あまり時代の差ってないような気がする。
最近はネットでエントリーシートを出して、面接の結果もネットでというのが多いらしい。

そんな中、「内定辞退をメールだけでいいですか?」というお話。

募集する企業の側はもちろん事務的に処理するから構わないだろう。
自宅や携帯に幾ら電話しても通じない、というよりも効率的だし。
けれどこれは「断る側のマナー」の問題だと思う。
なので、「必ず電話で担当者に辞意と謝意を伝えるべき」とお答えしている。

思えば一般社会で生活していると、どうしても「お詫び」の機会というのがある。
自己都合のこともあれば、断腸の思いで詫びなければならないこともある。
その時に「申し訳ない」とメールで伝えるのか、電話で伝えるのか、会いに行って伝えるのかというのは案外重要なことで、すなわち自分の抱えるストレスが相手にそのまま伝わるものだと思っている。

嫌な話ほど相手に会って伝える、ということが結局「相手には伝わる」ということではないだろうか。

よくこんな嫌な内容をわざわざアポを取って伝えに来たな、ということは相手にもちゃんと伝わるものだ。
逆にいつの間にか音信不通になって没交渉になる、というよくあるパターンも「その意味するところ」というのは相手に伝わっているものである。
結局、その後にも関係が続くかどうかは分からないが「辛い内容も正直に伝える」ということは、その当人の人格形成に関わる問題で、嫌なことはメールで済ます、というのは「自らの為ならず」なのだと思う。
お詫びとかお断りこそが「わざわざ出向いてするべき」意思表示なのである。
(つづく)