藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

通貨がITに下る時代。

IoTの将来性やその脅威はみんなが感じていることだと思うが、いよいよの本丸が「お金」に違いない。
AMEXはその登場時に「お金のお葬式」を広告したというが、この度はその比ではないだろう。

一方、仮に現金を全廃してデジタル通貨に一本化したとすると、「誰が何をいつ売買した」という決済情報をすべて中銀に知られてしまうといった問題点も指摘されている。

利便性は障害を凌駕する。
通貨一つ一つに「ID」管理がされる日はそう遠くないだろう。

もはや現金が流通を把握されるのに違いない。
さらに世界中で「通貨そのもの」についての統制がようやく俎上に乗ってくるような気がする。
世界通貨の統一は、ユーロを超えてデジタルマネーが先陣を切るのではないだろうか。

世界の中銀、法定のデジタル通貨発行へ実証段階に
 【ロンドン=黄田和宏】世界の中央銀行が「法定デジタル通貨」の発行に向けて実証段階に入り始めている。スウェーデンの中銀は工程表を定め、発行の検討に入ると発表した。スマートフォンスマホ)での決済など現金を使わない取引が急増し、各国中銀も電子化に対応した決済システムの構築を急ごうとしている。ビットコインなどの仮想通貨も存在感を強めるなか、中銀もデジタル通貨の発行に踏み出せば「金融の電子化」が急加速する見通しだ。

 世界最古の中銀であるスウェーデンのリクスバンクは3月中旬、通貨クローナのデジタル版「eクローナ」の導入に向けた3段階の工程表を発表した。スキングスレー副総裁が指揮している。まず今年11月までにデジタル通貨の理論的な裏付けについて検証した報告書をまとめ、年末までに次の段階に進むかどうかを判断する。ノルウェーなど北欧の中銀とも連携して作業を進める。

 第2段階では技術的な要素や規制についてより実践的な検討に入り、2018年末をめどに「eクローナ」の発行の是非を判断する。導入を決めた場合には、最後の実証段階に進み、発行の準備作業を始める。デジタル通貨発行後も現金は残す方向だ。

 スウェーデンでは近年、紙幣や硬貨の現金流通量が大幅に減少している。17年2月末時点の紙幣の流通残高は533億クローナ(約6400億円)と、この10年で半減。大手金融機関が協力する「スウィッシュ」と呼ばれるモバイル決済が普及し、国民の半数以上が利用するようになっているからだ。こうした急速な変化が進むなか、金融システムの安定には中銀が保証する安全な電子的な決済手段が必要かどうかが検討課題となっていた。

 香港金融管理局(HKMA)も今月上旬、香港ドルの紙幣を発行するHSBCなどの主要金融機関3行と、デジタル通貨の導入の可能性について検討を始めたことを明らかにした。銀行間取引や企業間の決済が目的で、年末までに初期の実証作業を終える予定だ。

 カナダ中央銀行もすでにカナダドル(CAD)のデジタル通貨「CADコイン」を銀行間取引に用いる実証実験を始めている。日銀が昨年11月に東大と共同で開いた金融技術の研究会でも「中銀によるデジタル通貨発行の可能性」が取り上げられた。

 一般的な電子マネーは運営する民間企業の経営悪化などの影響を受ける恐れも否定しきれず、中銀が発行するデジタル通貨の方が信用度は高くなる。デジタル通貨なら発行量を素早く精密に調整できるので、金融政策の柔軟度も高まるとされる。デジタルデータを操作して通貨の額面価値を減らし、マイナス金利を適用したような状態にすることも技術的には可能とされる。一方、仮に現金を全廃してデジタル通貨に一本化したとすると、「誰が何をいつ売買した」という決済情報をすべて中銀に知られてしまうといった問題点も指摘されている。