藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

究極のマイノリティ、日本。

*[次の世代に]マゾ的発展性の国。
中国が特許出願数のトップになったとか、論文の投稿件数が「日本は二桁遅れ」だと聞く。
さらに高度成長期にトップを走った日本が、成功体験ゆえに凋落した、と嘆く声は多い。
 
けれど。
けれどだ。
本当にそうなのかなぁと戦後二十年経って生まれた自分などは思う。
「黒船」で無理矢理にも外交が始まってからはどうだったか。
徐々に「海外とのコミュニケーション」を重ねて、戦争に走った。(と思う)
そして大敗して燃え尽きた。
 
戦後は経済復興に邁進した。
それがある分野ではトップにまで登った。
日本って実は「そんな体質の国」なのではないだろうか。
「島国で、少ない資源で農業で」。 
そんな国が初めて海外と交流して「外の血」と交わった。
産業的には超マイノリティだったが、一生懸命取り入れた、頑張った。
そうしたら戦争もしたし(行き過ぎ)、またそこで考えた。
(戦後)今度は工業化で突っ走ったらトップになった。
 
今IT(コンピュータ)技術の「黒船」が襲ってきた。
そして今はまたその世界ではマイノリティになっている。
 
スタートアップが少ないとか、AIでの利用研究が遅れている、との声は多い。
けれど、シリコンバレー深センのやり方とは違う「日本流」があると思っているのは、単なる身贔屓だろうか。
「新しい環境のストレス」があってこそ、その「虐げられた環境を跳ね返すために頑張る」のが日本の特性なのではないか。
シリコンバレーを追いかけるのは正解ではないと思う。
今回の産業革命はまだ始まって間がない。
勝負はこれからだと思う。
 
 
 
日本はAIの挑戦者であれ
2019年4月21日 21:30
先月、9千人もの参加者を集めた世界最大級のAI(人工知能)技術カンファレンスである「GTC2019」がシリコンバレーで開催された。600以上のセッション、世界中の著名なAI研究者を見かけることも多く、その熱気に圧倒される。
米エヌビディア日本代表 大崎真孝
日本テキサス・インスツルメンツで20年以上、営業や技術サポートなどに従事。2014年から米エヌビディア日本法人代表兼米国本社副社長。首都大学東京MBA取得。
日本からの参加者数は例年通り北米以外で最も多く300人を超え、日本も既にAIの実装段階に入っていることを再認識できた。
印象に残ったことをいくつか挙げてみたい。
まずは、我々の並列処理プラットフォームであるCUDA-X。機械学習とデータサイエンスのワークフローの速度をおよそ50倍高速にする。12を超える専用ライブラリーで構成し、様々な用途向けの開発ができるようになる。
その中の一つとしてのClara AI ツールキット。コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)の画像出力をAIで解析する。放射線医の読影診断を支援する。
自動運転の分野では、シミュレーション環境であるDRIVE Constellationの供給開始が発表された。ロボット向けのプラットフォームでは99ドルで、なんと472GFLOPSを発揮する小さな巨人Jetson Nanoの販売が開始された。これでAIを採用したロボット研究や開発がさらなる加速をすることを期待している。
さらに5G通信に向けて、クラウドゲーミングのNVIDIA GeForce NOW Allianceの立ち上げを発表。展示ホールでひときわ人だかりを作ったのは、手描きのスケッチをリアルな風景写真のように瞬時で変換するGauGAN(ゴーギャン)と呼ばれるAIデモであった。AIを使ったユニークなアイデアはとどまることをしらない。
多くの参加者が、その熱を日本に持ち帰っていただいたと期待している。
一点、課題をあげるとしたら、技術セッションでの日本の存在感であろう。600以上のセッションのうち、日本からのプレゼンターが行ったのが10セッションくらいにとどまった。内容はどれも素晴らしいものであったが、残念ながら数で圧倒されてしまった。
世界のトップクラスのAIに関する国際学会である米国人工知能学会の昨年の開催では、提出された論文数のトップが米国と中国。この二大国で提出された論文は2千を超えるが、日本からの論文はシンガポールに続く6位の99のみであった。
日々、現場で日本の産業のAI導入の息吹を感じているが、研究開発の存在感において世界との差にがくぜんとしてしまう。これらがAI人材の不足にもつながっているのではないだろうか。
海外での発表は距離や言葉の問題もあるだろう。でも世界中の研究者が我先にと研究成果を披露している。胸を張り、日本語なまりの英語でもっと世界に挑戦すべきだ。
戦後、諸先輩方が挑戦を重ね、日本を経済大国にした。AIにおいては、我々がいまだ挑戦者であることを強烈に認識すべきである。一人一人がスタートアップの心を少しでも持てば、その総和が日本を浮上させると強く信じている。