藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

環境と人

*[次の世代に]人の存在を考える。
人は環境に悪い行いをしながらも、徐々にそうした行いを修正し「世界の中のルール」を作っていく。
人間は果たして地球にとっては善良な生き物なのだろうか。
 
それはともかく。
今は「二酸化炭素」と「プラスチック」。
これほど便利に使ってきたアイテムを「どれだけ減らすか」というのが今の時代の焦点になっている。
人の発明する技術というのは「一定の歴史的な評価」を経ないと善か悪かがはっきりしないものらしい。
プラスチック材がこれほど環境に悪いと分かったのは、十分に普及した後である。
CO2も同様だ。
 
人はこれからもいくらでも新しい技術と製品を生み出しながら、試行錯誤を続けていくのに違いない。
すごい英知だと思う一方、それが「環境の保全」に向かっているのか実は「環境の破綻」に向かっているのか疑問になる。
化石燃料とか原発とか、都市開発とか。
一体どこまでが地球とか環境とか人類にとっての許容範囲なのだろうか。
 
もう一つ大きな学問が必要な気もする。
それは多分「地球にとっての人とは何か」というようなことを追求するものだろう。
人はこの星に存在していていいのか、という自分たちにとっての禁忌を考えるテーマことになるのではないだろうか。
人にはふさわしいテーマだと思う。
 
 
ネスレ、菓子の脱プラ進める紙包装開発
2019年7月4日 13:07
食品世界最大手のネスレは、プラスチックごみ対策を飛躍的に進める包装方法を開発したと発表した。菓子製品をリサイクルできる紙で包装する、同社はこの「世界初」の技術を他社も使えるようにすると約束している。
新しい包装を採用したネスレの菓子製品=ロイター
これまでの環境負荷の低い包装を目指した試みと異なるのは、英ヨーク市で開発した包装紙が高速生産ラインでも破れることなく、鮮度を9カ月間保つことだ。包装紙は棒状のフルーツ・ナッツ入り栄養食品「YES!」で使用しているが、他の製品にも利用できる。
ネスレはこの技術を特許出願しておらず、2020年4月から他社に開放すると発表した。「この技術にしがみついても、得にはならない。業界全体に(プラスチックの代わりに)紙を使ってもらいたい」と同社のグローバル・コンフェクショナリー研究開発部門を率いるジャス・スコット・ド・マルタンビル氏は語る。
消費財メーカーに対しては、自社の企業活動が生み出すごみの排出量削減に向けた一段の努力を求める圧力がかかっている。ネスレを含む多くの企業は、英エレン・マッカーサー財団が率いる活動の一環として、25年までに自社製品のプラスチック包装をリユース(再利用)・リサイクル可能、または生分解性の素材に切り替える方針を自主的に示している。
ネスレは年間数百万トン規模で利用する包装材のうち、どの程度が再生可能かを明らかにしていない。3分の1近くはプラスチックで、その大部分は飲料水の「バクストン」「ヴィッテル」「サンペレグリノ」などの傘下ブランドが占める。
プラスチックごみがもたらす環境汚染への関心は近年、急速に高まっている。英国では17年、BBCの自然ドキュメンタリー番組「ブルー・プラネット」の中でプラスチックが海を汚染し、野生動物を死に至らしめている様子が放映されたことが引き金になった。さらに欧州連合EU)はストローやカトラリー(食卓用のナイフ、フォーク、スプーン)など、使い捨てプラスチック製品を禁じる法律を制定し、各国政府も課税や規制を通して、ごみ問題に取り組んでいる。
17年に発表された国際規模の分析によると、第2次世界大戦以降、推定83億トンのプラスチックが製造された。うち5分の4はごみとして捨てられ、リサイクルされたのはわずか9%程度だ。

ポリマーでコーティング

ネスレの新包装紙はポリマーでコーティングされ、防水性や密閉性のほか、生産ラインや輸送・保管中に破れない強さがある。それでもリサイクル可能で、海中では6カ月以内に分解するという。
ネスレのヨーク工場の包装部門を率いるブルース・ファンネル氏は「これ(新包装)を実現するには、既存の機械で、しかも高速で使用可能でなければならなかった」と説明する。生産ラインでは1分間に300個の製品を扱うが、新包装紙への対応は軽微な変更を加えるだけで済んだ。それでも、包装1枚あたりのコストは上がった。
この健康的な「リサイクル仕様」製品に対して、環境問題への意識が高い消費者には1個あたり1.2ポンド(約163円)、競合製品の約1.5倍を支払うことを納得してもらいたいとネスレは考えている。YES!は18年9月に販売を開始し、一部のEU加盟国で購入可能だ。世界展開を控え、新たな包装紙も生産を開始している。
包装の紙自体もサステナブル(環境に害を与えず、持続可能)と認定された資源を利用している。ネスレは開発費用を明らかにしていないが、研究開発には年間17億ポンドを投じていると発表している。紙とプラスチックの二酸化炭素排出量の差を判断するには時期尚早だという。「万能の解決法は存在しない」とファンネル氏は話す。
米ハワイの海岸に打ち上げられたプラスチックごみ=米海洋大気局提供・共同
ケンブリッジ大学の「プラスチックごみ削減への循環経済(サーキュラーエコノミー)的アプローチ方法研究所」のアーウィン・ライズナー所長は、新包装紙は「重大な進歩」で「他のメーカーにもプレッシャーをかけることになる」と言うが、重要なのはプラスチックをリユース・リサイクル可能にすることだと強調する。
それでも、この巨大な問題の即効薬とはならない。専門家は、世界のリサイクルの仕組みは壊れていると指摘する。富裕国の消費者がごみを分別する際、リサイクルが不可能になるようなミスを犯す場合が多いという。一方、廃棄物リサイクルを担ってきたアジア諸国が業務を拒否するケースが年々増え、多くのごみがリサイクルされず、埋め立てられてしまっているのが現状だ。
By Andy Bounds and Leila Abboud
(2019年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/
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