*[一周回って]
仮に。
ここ2年のコロナ騒動がなく、オリンピックも予定通りで「観光客4000万人!」などと言いながら進んでいたらどうなっていただろうか。
今頃は順調に観光客が増え、それに対応する施設もどんどん建設が進み、都心のビルには人があふれていたかもしれない。
けれど「その先」には何があっただろうか。
都心の一極集中はさらに進み、地価も高騰して香港のような「地元民には住みにくいまち」へと変わっていったのではないだろうか。
街中の「外国人とそのためのお店」は経済が潤い賑やかでいいが、どれも「通過する人たち」のもので、地元民のためのものではない気がする。
皮肉なものだがコロナの流行で、これほど突然に観光客が途絶えたり、日本人も外食が出来なくなったりすると「そもそも必要だったもの」が冷静に見えたりしている。
「観光客がどんどん来てお金を落としていく国」と「外国からの観光はそこそこに、コンパクトに少子高齢化が進む国」とはどっちがいいのだろう。
何か無理に経済を鼓舞して、身の丈以上に成長しようとする方針は、もはや時代遅れな感じがする。
「観光はお静かに。ありのままの日本を楽しんでください。」というのが日本らしさのような気がします。
やっぱり「経済成長」がランキングの一位ではなくなっているのだと思う。
日本らしさ、が出てくるのはこれからかも。