昨年秋にアップルが従業員の出勤を要請したら激しい抵抗にあって困ったという記事が日経に載っていた。
米IT大手の対応も相当ばらついているようで、新規の求人もリモートを謳う案件が40%に上っており、すでに「リモート前提の働き方」を条件にしないとただでさえ人が足りないところに拍車をかけそうだ。
先日大量離職(グレート・レジグネーション)の話を書いたけれど、一度醒めた目で自分の仕事を見直してみれば「自分の人生観にあっている仕事なのかどうか」を改めて考え直している人が増えている、という事情も関係しているようだ。
当たり前だが時間だけを考えると「通勤時間の分」は必ず生産性は上がるはずである。
それが(1日に2時間とかの通勤をするより)却って下がっている、ということの原因を追求し、解消した組織に人が集まるのは自明である。
「雑談や内線やミーティング」がどれだけ気軽にできる環境を整えられるのか、例えば勤務時間中は自宅同士をネットワークでつないでおいてカメラで見える化するとか、逆にメタバースのようなところに完全移行して、全員「あちら側で仕事する」というような工夫ができれば生産性の議論は問題なくなるのでないかと思う。
そんな意味で仮想空間というのは思わぬポテンシャルを持っている可能性があるだろう。
(つづく)