藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

所有の魔窟(1)

*[次の世代に]所有のこだわり。

自分たちは同じものを「得たとき」と「失ったとき」では失った時の方がショックが大きいという。

 

また人には「保有効果」というものがあり、他人に価値がないようなもの(例えば使い古したカバン)でも、自分にとっては価値がある、と判断するという。

よく自分が手に入れたものを「何でも捨てられない」という話を聞くが、これが保有効果らしい。

こうした話から、いくつか自分たちの性質(たち)が分かってくる。

まず「自分中心」。

誰しも他人の年齢を聞いて「自分と幾つ違うのか」と瞬時に計算することがあるだろう。

自分たちは「まず私から」という自分中心の生き物である。

そして「所有中心」。

なんでも「所有したい」とまず考えること。

そして「所有したものについての満足感」はあまり長続きしない。

そして「失ったときには大きな喪失感を覚える」のだ。

これを"現状維持バイアス"と呼ぶらしい。

 

よく考えてみれば「児童心理」とこられは似ている。

子供というのは、なんでも欲しがるし、そして手放すことを嫌がるものだ。

つまりこうした心理の現れは、特に大人では「幼児性」を残しているということなのではないだろうか。

 

よくいう「断捨離ができない人」というのは、どこか子供から大人になり切れていない、ということの現れなのかもしれない。

(つづく)