*[ウェブ進化論]ようやく、生き方を選ぶ
国の単位で見れば、日本は生涯未婚率も増加し、出生率はどんどん低下し、いろんな専門家が「国力の衰退だ」と嘆く。
自分の知る限り「縮小もまたよし」と言っている専門家はいない。
一方で、結婚した人の離婚率は上がっているし(3組に1組)、それにつれてシングルマザーとか引きこもりとか、そして独身高齢者とか介護難民とか、いろんな新しい問題も時代とともに発生してくる。
「男女とか(そして同性)とかが、お互いにどんな関わり方をして長い人生を過ごしていくのか」ということが、日本でもようやく再定義されていく時代になっているのだ。
国の制度として未婚の母親を支援する、というのは重要なことだけれど「そもそもどんな生涯を送りたいのか」ということを問わずして、その後の道筋は描けない。
「パートナーを見つける」とか「出産する」とか「親兄弟の面倒をみる」とかいうことが、ただ自然の成り行きのままに起きてゆくから、自分たちはその出来事が起きるたびに翻弄されてしまう。
「親ガチャ(親は選べない)」というのが流行り言葉らしいけれど、その大元は「いろんな人間関係は、社会通念で決まってゆくものではなくて、自分たちで選びたい」という若者の心情の現れではないだろうかと思う。
制度で手当てを給付するから「産め」とか「入籍」とかいう形式を誘導していく時代はいよいよ終わろうとしているのではないだろうか。