藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

問題は何か。解決策は何か。

現代社会の問題は、猿山のボスの統治システムとは大分違う。
そこには人権の尊重とか、公平性、とかプライバシーとか、権利とか、いろんなまあ「知的なもの」が考慮されねばならない。
もう統治のルールの複雑さを抜きにして、「実務のマネジメントや政治」は語れないのである。

マイナンバー」という、一見便利な制度も「もしそんなものがあったら」という話で紛糾している。
もっとも事前にどこまで限定的に利用されるか、あるいは「利用されないのか」がもっとも大事な部分なのだが、そこに言及している政府の人は見当たらない。

つまるところ、マイナンバーという制度で、政府は「国民に対する認識」をシステム化しようとしている、ということだと思うが、当の政府自身がその影響について認識していない、というのが実情だと思う。

日本の国民に唯一のIDが振られ、管理される、というとことの意味と、その威力を我々はもう一度考え、さらにその利便性を検討せねばならないと思う。
こういった話は先の「住基ネット」同様、骨抜きにして死に体にしてしまうのではなく、ITの威力をどの程度まで実社会が使っていけるかというまじめなテーマにせねばならないと思う。

一説には憲法に謳うほどの影響もある、という意見もあながち大げさではないだろう、この試みを何とか役立つ方向にしてもらいたい。
政治家と国民の正念場がいよいよやって来ると思うのである。

流出の恐れ、会社からも 共通番号、家族の分も通知
【松浦新】共通番号制度法案が9日に衆院を通り、成立する見通しになった。この制度では政府や自治体にいろいろな個人情報が把握されるだけでなく、働いている会社にも共通番号を知らせる必要がある。
 制度が始まると、国民には番号が書かれた「通知カード」(紙)が郵送される。サラリーマンの場合、この番号を会社にも伝えることになる。
 サラリーマンの多くは、会社を通じて税務署に所得税を納める「源泉徴収」をしているためだ。税務署は会社から社員の所得や家族などの情報とともに共通番号を報告してもらい、だれがどんな会社でどれだけ所得を得ているかを正確に知ることができる。
 正社員だけではない。アルバイトやパートでも、源泉徴収の対象なら会社に番号を伝えることになる。これで税務署は複数の所得があるかどうかを調べる。
 会社に伝えるのは本人の番号だけではない。扶養している(生活の面倒をみている)子どもや親など家族の番号も伝える。家族を扶養する人には税金を安くする「扶養控除」という制度があるためだ。兄弟がそれぞれ親を扶養家族にして税金を安くする例もあったが、本当に扶養している人だけに絞られる。
 一方、会社には今も社員の給料などの個人情報が蓄積されており、これらが共通番号と結びつけられる。このため、税務署から漏れなくても、会社からも番号と結びついた個人情報が流出する危険がある。
 たとえば、悪意がなくても、コンピューターシステムに不正侵入されたり、担当者のミスで漏れたりする。会社が倒産すれば、きちんと管理されずに流出するおそれもある。
 個人情報が番号とセットになると、コンピューターで簡単に検索できるようになる。悪用する人が行政機関や他の会社から漏れた情報も番号でつき合わせてまとめると、多くの個人情報を蓄積したデータベースがつくられるおそれがある。
 日本弁護士連合会の情報問題対策委員会の清水勉委員長は「共通番号は生涯変わらないので、不正に集めた多くの個人情報が結びつけられてしまう。海外では法律が適用されないため、海外でデータベースができれば手出しもできない」と警告する。