藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

規制サイドだけのエゴ。

主婦の友社の中高年向けムックが発禁ならぬ「不健全図書」に指定されたという。
このムックのシリーズは書店やコンビニに前から並んでいたけれど、今さら成人コーナーへ移動してどれだけ意味があるだろうか。

こんなものに目くじら立てて大人たちは「誰に対して」「どれほどに」効果があると思っているのだろう。

自分がそっち寄りの人間なのかもしれないが、こういう類の規制は若者は常にかい潜るものだし、第一今のネット時代にもう日本のポルノ規制なんて完全に形骸化している。
中学生くらいの時から、いわゆるエロ本はどここから手に入れてたちまち流通するものだったし、規制や制限があったらなんとかして手に入れようというのが普通の男子だろう。(女子は不明だが)
子供は大人の想像以上に色んなことを知っているものだ。

ちまたではアダルト映像の是非も議論されているけれど、それにしても「性的コンテンツの増殖ぶり」をこの規制した人たちは知らないのだろうか。

これまで大人たちが封印してきた政治とか世間の非合法な部分がどんどんネットで公開される中、昔の本の発禁感覚で一部の規制をしてもまったく意味はないだろう。

著名な検索エンジンや公式サイトでもあらゆる性がオープンになっている時代だから、大人を標ぼうするなら、これまでとは全く違う態度を示さねばならないと思う。
ムックだけを規制して、何か仕事をした気になっているのなら木を見て森を見ず。
時代遅れだ。

画像や動画だけでなく性産業がこれだけネット上で拡散するのは、とりもなおさず"求める側"がいるからである。いつの時代もそうだった。

規制する、良識ある大人たちはその事実に正面から目を向け、だから性の在り方とか、「良いもの悪いもの」について議論して明るみに晒さねばならない時代だろう。

当のムックではAVの画像シーンや緊縛シーンが問題になったというが、まったく「穴を一つだけ塞ぐ」行為には却って無責任さが露呈していると思えて仕方ない。

性をきちんと語らない人たちこそがこういうことを企てるのに違いない。
子供と「いろんな性」について語る覚悟をもつことこそが必要ではないだろうか。

主婦の友社ムック本、都の不健全図書に 成人コーナーへ

主婦の友社(本社・東京)のムック本「わたしの健康DX2」(6月30日発行)について、東京都は14日付で都青少年健全育成条例に基づく「不健全図書類」に指定する。著しく性的感情を刺激すると判断した。書店などは18歳未満が購入・閲覧できないよう成人コーナーに移すことが義務づけられる。
 都が11日、発表した。同社は主に料理本やファッション誌で知られ、同社の書籍を指定するのは1964年の条例制定後、初めて。
 問題視したのは、女性を縄で縛る描写のほか、過去のアダルトビデオ10本の一部が収録された付録の「性力アップ60分DVD」。10日に開かれた都の青少年健全育成審議会が「著しく性的感情を刺激し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」として、不健全図書類に指定するのが適当と答申した。
 主婦の友社は「中高年向けに作成したが、青少年に対する配慮が欠けていた」として、書店から在庫の回収を進めているという。指定については「都から正式な連絡を受けていないので、コメントは控えたい」といっている。(川口敦子)