藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

職務発明は、日本の国策だよ。

東芝フラッシュメモリー訴訟、8700万円で和解。

また、職務発明訴訟が一つ、和解で決着した。


請求額11億円に対し、8700万円。金額の多寡も問題にしたいが、それより重要なことは、和解の対象は、訴訟の対象の特許41件だけでなく、舛岡教授(東北大)が「在職中に関与した500件の特許すべて」を対象にしていることである。

これでいいのか?-発明対価の計算は困難だが…

日亜vs中村教授の時もそうだったが、在職中の「特許群すべて」が対象になっている。

企業側の理屈から言えば、確かに発明の対価算定は、とても面倒な作業だろうことは想像に難くない。


しかし、この流れは日本の知財戦略(プロパテント)を損ないはしないだろうか。そして、私個人の意見はともかく、「そういう論陣を張るマスコミがいない」ことが一番嘆かれる。


職務発明の扱いは日本のこれからを左右する

知財訴訟の重鎮、升永英俊弁護士も常々指摘されている(金融商事判例/No.1236)が、企業の「従業員による発明」に対する態度は、従業員のモチベーションに〝直結〟している。

これは日本という国の中での「これからの富のルール」と言ってよい。要は、もっともっとインセンティブを高めろ、ということだ。


IT長者を始め、いろんなビジネスで成功する人がいる中で、「発明者」も成功例として取り上げられ、皆が目標の一つとするような風土は、今後の先進国には必須である。


率先して仕組みづくりをしよう!

額に汗して働くことは、尊い


また同様に、人類史上これまでにない発明、も価値がある。産業の発展のための車の両輪、と言ってよかろう。


特許法は産業発展のために、その発明・技術を公開する、という目的を持つ。


私の経営する会社(ソフトウェア開発)では、職務発明の対価として、その発明の生み出した利益の30%、を発明者に還元することにしている。(経費は除く)


製造業の場合の「対価算定の困難さ」も理解できるが、なんとか発明者をインスパイアさせるような世の中にしたいものである。


また、そのような目線に立った、報道・評論をマスコミに期待したい。