ウィーン国立歌劇場の音楽監督、小澤さんが病気療養から復帰された。(写真は共同通信社より)
指揮のようすをテレビで拝見したが、お元気そのもの!全身で表現される姿に久々に感動を覚えた。
今年始めのNHKスペシャルで、「小澤征爾音楽塾オペラ・ プロジェクト」では、高熱の風邪に襲われながらも、
独立心(ソリスト志向)の強い中国の若手演奏家たちに、「Don't forget!」を何度も繰り返しグイグイ引っ張ってゆく姿には、超人的なバイタリティを感じたものである。
外見はともかく、その曇りのない、‘透明な’立ち居振る舞いを見るにつけ、小澤さんに〝達人〟を感じてならない。
‘技’ではない世界へ
もちろん、指揮の力量はすごいのだが、ここ数年の小澤さんの物腰を見ると、職人として、技術者として、そして芸術家として、最高の境地におられるのではないか、と感じる。
奥義に達した武士のような。上達することにすらとらわれをなくし、数百年前に没した楽聖(作曲家)たちと同化せん、とする究極の姿にみえる。
またその気さくな人柄も、現世からの解脱を感じさせる。
もっとも、人柄はずっとお若い頃から変わらないようですが…
とにかく、復帰おめでとうございます!