藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

特許法改正。

「先発明主義」が何かと悪評のあったアメリカの特許法が、他先進国と同じく「先願主義」へと宗旨替えをすると聞いた。
日本が性質的にはずい分異なるアメリカから学ぶべきは、その突出したリーダーシップ、というか「国益指向」だろう。
その最たるケースがまた起こっている。

アメリカさんだけは…。
出願してからの引例での争いではなく、「実は同じような発明はあったのですよ」と、いわゆるサブマリン特許、でいつ「後だしジャンケン」されるのか…ということで、確かに米国内では特許を巡る摩擦が多く(またそれをビジネスにする人たちも多いが)、国全体で見れば「たたき合い」の感は拭えず、ついにポリシーそのものの変更になったようである。

先のgoogleモトローラ買収もしかりで、オバマ政権の「国力回復政策」の一つと言える。

毎度批判の声も強いが、こうした「自国のため」になりふり構わず戦略を打ち出す、という一体感が、日本とアメリカの根本的な違いの一つである。
大和民族は、奥ゆかしさゆえこういうことに弱い。

特許取得ランキングより。

■2010年の米国特許取得件数ランキング<日経より>
1IBM(米)…5896
2サムスン電子(韓)…4551
3マイクロソフト(米)…3094
4キヤノン…2552
5パナソニック…2482
6東芝…2246
7ソニー…1653
8インテル(米)…1653
9LG電子(韓)…1490
10ヒューレット・パッカード(米)…1480

閑話休題
いくつか驚いたこと。

IBMが未だダントツ一位とは。

これほどのインターネット革命にさらされても、半世紀にわたる君臨ぶりは圧倒的である。びっくり。
そして二位がサムスン!これも韓国の「国として」の迫力を感じる。MSを抑えての二位はご立派。
そしてそして。

4-7位に日本勢。特に総合電機メーカでないキヤノンはいかに技術志向で努力しているかが見て取れる。
インテルを抑えてのランク入りは大したものである。

今度の日本の政権には、ぜひとも国として「チームジャパン」の戦略を考えていただきたいと思う。

米特許「先願主義」法案を可決、大統領の署名焦点に【ニューヨーク=小川義也】米上院は8日、特許法の包括的な改正法案を賛成多数で可決した。同法案は既に下院で可決しており、オバマ大統領が署名を判断することになった。署名すれば法律が成立する。発明した時点を重視する「先発明主義」から、特許出願の早さを優先的にみる「先願主義」への移行が柱。先進国で唯一、先発明主義を採用する米特許制度のグローバルスタンダードへの移行は日本企業の戦略にも影響を与えそうだ。

米国は2006年に特許に関する国際会合で先願主義への移行を表明。07年には特許法の改正法案が下院で可決されたが「先発明主義こそが新技術の創造を促す」と主張する個人発明家や中小企業団体などの反対で、最終的に法律が成立しなかった。

 特許法改正を支持してきた米IT(情報技術)業界は可決を歓迎する。米IBMは「過去60年で最も広範かつ重要な米特許制度の改正」と位置付けたうえで「新法は米特許手続きの効率化や米国の発明家の特許の質向上、世界経済における米国の競争力を生き返らせるものだ」とのコメントを発表した。

 特許紛争が急増しているIT業界では、米グーグルが通信関連の特許を多数抱える米モトローラ・モビリティーを買収するなど、訴訟リスクを減らすために特許を囲い込む動きが活発化している。先願主義への移行は、特許紛争の減少につながると期待されている。

 米国で数多くの特許を申請している日本企業への影響も大きそうだ。米特許制度に詳しい藤森涼恵弁護士は「日本の制度に近づくことで、日本企業が米国で特許を申請しやすくなる」と話す。