藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

「登竜門」−芸術の振興のために。

あらゆる作品をITがつなぐ。

発想のきっかけは三つ。


2004年冬、ヤマハの本店で偶然、ピアノの「公開レッスン」を見たとき。


日本のピアニストが、フランスの子供たちに公開レッスン。


日仏、ともに観客の大勢いるホール。


生徒は、(TV開議システムでつながれた)大スクリーンに映る。


日本の先生は、生徒に
” are you ready? , Let me listen your play. ”
”ok.”
と。ここまではいい。


驚いたのは、ホールの壇上に置かれたピアノ。


弾き手のいないピアノが動いている!


スクリーン上の子供は、普通にピアノを弾いている。二台のピアノはインターネットで接続されていた。(MIDI規格という)


ピアノのレッスンは普通、「遠隔操作」では難しい。


鍵盤のタッチや、スピード、手の形、など微妙な部分が読み取りにくいのだ。


ブロードバンド接続された二台のピアノは、それらを見事に伝えていた。


先生も「まるで、彼が隣にいて弾いているようだった。」と。

①『これなら海外の有名な先生にだって、教えてもらえるかも。』と期待。


二番目は、会社のロゴ製作。


プロに頼むと、すぐに100万、200万、と。


しかも、どのプロが適任か、さっぱり判らない。


かといって何十人ものデザイナに会って、いちいちインタビューする時間はない。


デザイナーは、この世に大勢いるのに。出会えない。


「幾らくらいで、こんなものを。」をアーティストに伝えるすべはないのか?


意外に探しにくい。


その時、聞こえた。

②『もっと私の作品を見て!』


名もなき芸術家たちの声なき声。

こちらだって出会いたいのだ。



三番目。


「学士会」というサークルがある。


東大ほか、旧帝大の出身者のみが会員、というエリート臭の強いサークル。


ここで発行される「学士会会報」を税理士の根岸先生に見せていただいた。


驚いた。


内容は、文化・科学・天文学・法律・医学など、とても幅広い。


見出しはこんな。
興味を惹かないだろうか。

No.851号目次(平成17年3月発行)

・人口の減少と経済成長  吉川洋
(東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)


・災害・事故を防ぐ知恵と工夫  石川寛
(石川寛俊法律事務所弁護士・日弁連弁護士倫理委員会副委員長)


・日本の中の非効率:「人基準」から「仕事基準」へ

渡辺穰二
(ヒューマンキャピタルソリューション研究所パートナー・国際教育推進機構代表)


チベット調査からみた中国とインド  中根千枝
(日本学士院会員・東京大学名誉教授)


・野球モニュメント生みの親─それは君島一郎  大村文夫
(住友電工㈱・㈱明電舎元常務・㈱東京タングステン元専務・一高野球部OB会会長)


・流体物理学の巨峰 今井功先生を偲んで  巽友正
(京都大学名誉教授・京都工芸線維大学名誉教授・国際高等研究所参与)


・境界領域研究における苦悩・喜び・反省
─ 神経・筋系の電子的制御機器開発をめぐって
  星宮 望
(東北学院大学学長・東北大学名誉教授)


歴史認識が争われる時代   秦 郁彦
(歴史研究家・元千葉大学日本大学教授)


・記憶のバブル現象   須藤 昇
(千葉大学文学部教授)



・人と自然の共生を考える─ 生物多様性の持続的利用とは  岩槻邦男
(東京大学名誉教授・放送大学教授)


・“きれい”社会の落とし穴(午餐会講演)
─ アトピーからO−157まで
  藤田紘一郎
(東京医科歯科大学大学院教授)


コエンザイムQ10などの抗酸化物や野菜スープをとり生き返る  倉恒匡徳(九州大学名誉教授・中村学園大学元学長)


・バイオテクノロジー食料随感  村田幸作(京都大学大学院農学研究科・農学部教授)


・古くて新しい作物、荏胡麻から見た脂質栄養学  小林哲幸
(お茶の水女子大学理学部助教授)


・“ひきこもり”は社会への警鐘
─ ひきこもりの問題と現代社
  和田ミトリ
(「道草の家」代表・東京メンタルヘルスアカデミーカウンセラー)


・教育長として義務教育にかかわって  今村聡子
(文部科学省職員・白井市教育長)

さながら文芸春秋インテリゲンチャ版。


この会報は、市販されてない。

③論文単位で、読みたいものが随分あるのに。

ふと。


たまたまこうやって「少しは」露出しているものの、

こんな風に「テーマ」を持って、研究し続けている人、は世の中に何万人いるのだろう。

ブログには、upしてくれているだろうか。


圧倒的に発表の機会がない。


なに、ただで、とは言わない。


「知恵代」は謹んでお支払いしよう。


薄く(安く)、広く(多数に)。


『登竜門』。−あらゆる〝創作〟と出会える場所

∫ピクチャ系
video、絵画、書画、写真、リトグラフタペストリ


∫デザイン系
建築、工業、都市、ファッション、ジュエリ、ヘアスタイル、キャラクタ、ロゴ、書体、ネーム、webデザイン…


∫音楽系
詩、詞、曲、演奏、歌、音源…


∫テキスト系
記事、評論、論文、小説、エッセイ、脚本、ドキュメント、コピー…

世界中のクリエイタが、登録。

そして、あらゆる形で提供。


<提供側>
「作品を見て欲しい」
「作品を買って欲しい」
「デザインを見て欲しい」
「演奏を聴いて欲しい」
「物語を読んで欲しい」
「個展を開きたい」


<消費者側>
「こんな絵が欲しい」
「こんな曲を作って」
「あの人の演奏が聞きたい」
「自宅のテレビに、オルセー美術館の作品を映して」
「若い作家に投資したい」
「会社のロゴをこんなコンセプトで」
「会社の宣伝に、新人ミュージシャンをプロモートしよう」


芸術のロングテールがもたらす物

無名の学生から、巨匠まで。
記事一本から美術館まで。


やはり恐竜の尻尾側、が期待大。


が、「首側」だってチャンスはある。


とても貴重なコンテンツホルダだ。

ルーブル美術館の内容がいつでも自宅で見られれば、有料会員はいる。


私なら、「作品を定期的に(壁掛け)テレビに映してくれるサービス」に入会。
ルーブルの所蔵は30万点だから、「一作品一時間だけ」にしても、30年以上楽しめる。

自宅が美術館。


しっぽ側は、大チャンス。スクラッチ勝負になる。


登竜門は、「コンテンツ提供」意外のサービスも生み出す。

作家や演奏家から、直接指導を受ける。Web芸能レッスン。

これも、「先生」と「生徒」は自由にエントリ。


そのうち評判も付いてくる。

ウェブ上で、「演奏会」や「個展」「公演」「展覧会」も開催。

その場で作品も買ったり。


登竜門は決済代行や、チケット販売もできる。


オークション機能も持つ。


コンテストや企業杯。


そして、創作者の「著作権(DRM:デジタル著作権)」も守る。


すべては『芸術の振興のために』


Gyao などのプラットホームを使えば、随分低コストで実現できる。


今はアンダーユース(=不活性)だが、アナログ資産を活かしたい。