藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

揺り戻し。


世界中の情報を整理し尽くす、というのがgoogleのコンセプトだが。
早くも当時、ウェブ進化論で指摘されていたとおり、googleの役割が「広告業界のサブセット程度」に萎(しぼ)んでしまいそうだ。
アンドロイド、とかブラウザとか、色々試行されているようだが、「オープン情報の覇者」と思えた同社も既存勢力の抵抗で苦労している。


「世界中の情報」という中には生のデータや、統計など、「客観的に公な性質を持つもの」もあるが、何といっても人の手がかかった「著作物」ではその比が量・質ともに圧倒的に勝っている。
だがそんな人類の叡智たる著作物は、権利と対価の関係、でたちどころに流通する、というわけにはいかない。

中立の流通プラットホームを


規制とか権利の基準は、オープンになる方向で、厳しくなり-緩くなり、を繰り返してゆくものだが、さもありなん。
自分は以前から「登竜門」と仮称した「あらゆる著作物流通インフラ」を夢想しているが、いっそgoogleが提供してはどうか。
画像のyoutubeだって所有しているわけだし。


ただし、この著作物プラットホームは広告モデル形式の収益を期待してはいけない。
純粋にエンジニアや事務局の運営費だけで、余分な利益を生まない「世界の公共物」にしなければ。


どこの国にも所有されず、スイスとかにサーバーを置いて。

世界中の、写真家や陶芸家や演奏家や作家やデザイナーが自由に著作物を登録でき、課金もできる。

楽しみなのは逆オークション。
こんな作品が欲しい。
こんなデザインが頼みたい。
新しい製品の名前とコピーを考えて。

あるゆる「創作」が喚起される。


どんなに下手な演奏だって、「web一人演奏会」を開いても文句だ出ることはない。
著作物は限りなく自由に流通してほしいと願う。



<産経web>
グーグル書籍検索訴訟で修正和解案提出 米英などの書籍に限定
インターネットで絶版本などを検索・閲覧できる米グーグルの書籍検索を巡る訴訟で、グーグルと米出版界は13日、修正した和解案を米ニューヨークの連邦地裁に提出した。
対象を米国の連邦著作権登録局に登録された書籍か、英国、カナダ、オーストラリアで出版された書籍に限定することなどが柱で、従来の和解案に比べ大幅な修正となった。


 グーグルと米出版界が2008年に合意した従来の和解案では、著作権の国際条約の関係から海外の著作物にも効力が及ぶ。
フランス、ドイツ両政府が和解案に反対する意見を米連邦地裁に提出。
日本の著作権者の一部からも異議が出ていた。


 9月には米司法省が市場独占の懸念があるなどの理由から「和解案には修正が必要」との意見を裁判所に提出していた。
修正案はアマゾン・ドット・コムなど競合事業者にも書籍配信システムを提供することを表明。司法省からの指摘に配慮した結果とみられる。