ビル・ゲイツは今年6月、08年にMicrosoft社の引退、ゲイツ財団への専任、を発表。
今年の大きなトピックスだった。
この記事を読むまでは、「ついに降りるのか」とだけ思っていた。さすが梅田さん。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060819/p1
まだ「ファイティングポーズを解いていなかった」ビル・ゲイツ。
ついに、かと。
Googleなど、背後から迫る新興勢力との「競争」から自ら退いた、のだと思っていた。
アメリカには、投資家のウォーレン・バフェット(75)、がいる。ゲイツと親交が深く、ゲイツ財団には、バフェットの富も引き継がれることになった。
近々600億ドル、いずれは1,000億ドル(10兆円)の運用資産。
拠出金だけで50億ドルにも。
ちょっとした政府の予算よりも多い。
寄付の「動機」と制約条件。
慈善事業、財団の寄付活動、には独特の「不透明さ」が漂う。
語弊を恐れず言うと、胡散臭い。
なに、不公正にカネが使われている、というのではない。
自分の寄付した500円が「どこへ行ったのか?」が見えないのだ。
感謝して欲しいのでは、ゆめゆめ、ない。
寄付の〝動機〟が欲しいのだ。
途上国の子供たちに打つ骨髄炎のワクチンが一本180円だと聞く。
それで、大病が治るなら10本や20本分は出したい、と思う人は多かろう。
なぜ寄付しないのか?
自分は「透明性が足りないから」だと考える。
「寄付」という行為を制約している。
自分の好きな言葉、「制約条件は解除の対象」。
むむっ。これも、webが活躍できないか。
次の対象を見つけたゲイツ
梅田さんの読み。は恐らく当たっていると思う。
ゲイツは、戦いの場を移しただけ。
元アスキーの西和彦氏は「競争しないゲイツなど考えられない」と言ったと。
「キャラクター」は一生変わらない、とは言い古された表現だが、ビル・ゲイツは「慈善事業/福祉財団活動」の効率化を次のライフワークにしたのだろう。
著書「思考スピードの経営」にもある通り、経営もプロ中のプロ。
その思考で、世界中の「寄付対象候補」へ効率的な資金配分を目指す。
※梅田望夫さんは「投資対効果ならぬ、〝寄付対社会貢献効果〟」と表現されている。
ビル・ゲイツにとって、「公平な富の配分システム」が次のライフワークになった。
賞賛したい。
それに、webが活躍しないか。
もちろん、ビル・ゲイツが考えていないわけがない。
が、以前からの不満。
「寄付・援助・補助」のone-to-oneネットワーク。
例えば「病気治療」「食糧援助」「投薬」「疾病予防」「里親と里子」「学資補助」「学芸補助(美術・音楽など)」
色んな形の補助がある。
ロングテール―「死に筋援助よ、復活せよ」。
「援助の気持ちのある人」と「受けたい人」を結びつけるプラットフォーム。
援助された人のその後の「状況」や「喜びのさま」がきちんと見えるように。
お礼を伝え、役立ったことの悦びを伝え合い、双方の充実感を大切に。
そして、ここでもロングテール。
「こんな援助ならぜひさせてもらう」
「ここの部分だけ、困っています」
を様ざまに結びつける。
「死に筋援助」がよみがえる。
きちんと結果が見えるので、動機の強さが違う。
寄付が無駄にならぬよう、受ける側も過度に頼らぬよう、多くの「規定」が必要だろう。それができれば、ここにも素晴らしいプラットフォームが築かれる。
ビル・ゲイツはそれを作ってくれるのではないか。
また、次のステージへ「一番乗り」のようだ。