藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

もう一つの梅田望夫

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)


何度も見ると、新しい発見はあるものだ。

価値観、が変わる

ウェブ進化論」の頃からもう一段進み『もう一つの地球』という概念になったネット社会。
著者は「もう一つの地球上」では「経済から知へ」というパラダイムシフトが起こり始めていることを指摘する。

「金銭(経済)から思考(知)へ」。


この一言は今後の価値観の「大変化の潮流」を一言で表している。


生存、安全、参加、認知、自己実現

「経済的なモノから知的創造へ」の志向は人類初の「自己実現へのパラダイム・シフト」ではないか。これこそ英知と。


「知の時代の萌芽」を見事に射抜く。
いつもギラリ、と光る梅田の視線。

数十年後の将来、今日を振り返って「知的革命が起こったのはいつか」と見たなら、それは梅田望夫が「ウェブ時代をゆく」で指摘して以後である。ということになるだろう。(と思う)

高速道路の存在


学習の高速道路。
羽生名人が提唱し、著者が名付け親。
これぞ構造化のフラッシュである。
 

いまや日を追うごとに「学習するためのネット環境」は整いつつある。
・また各国の一流大学の講義が無料でupされ出した。
・専門家の論文も公開されつつある(特に英語)
googleもMSも、リアルの本をネット上に取り込み出した。(世界最大の図書館)
・議論したり、研究を進めたりする「距離の制約」はゼロに。
・ネットさえあれば、参加は限りなく自由に(2.0)
・著名な師にネット上で「レッスンを請う」こともできる。
(一昨年、ネットでつながった自動ピアノで、フランスからレッスンを受ける様子を見て肝をつぶした。先生にできないのは「じかに生徒の手に触る」ことだけだった。)
・「練習」が必要なものはネット上の「場」で24時間腕を磨ける(ex.将棋サイト)


なので若い人は何事も「そういう学び方」=高速道路があること、を意識しておくのは大切だ。


そこいらじゅうで今建設ブームだから、本当に「乗りたい道」が見つかるように、幾つも試してみることだってできる。
こういうことにネットを使うのはITの本分、と言ってよい。


ただし、高速道路は誰でも乗れる。
先の渋滞はいっそう激しいので、覚悟のこと、と。


もう一つの発明。


ロールモデル思考法」はさんざ書いたので割愛。
ここを読み、自分は梅田の「天才性」をはっきりと見た。
ちょっと鳥肌モンだった。
そしてもう一つ想像したこと。


ダウジング
(=dowsing:もとは、水脈などを探すための「占い棒」だと)
地中に埋まったものを探すのに、金属の棒を「昆虫の触角のように」泳がせて探る。


ロールモデル思考法、を思うたび「知識のダウジング」を想像する。

自分の「好き」をたよりに「ここに何か埋まってないか」、
光ったものを見つけては「なぜ光っているのか」と彷徨う。

梅田望夫は「知的ダウジング」の創始者、でもあった。