ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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何度も見ると、新しい発見はあるものだ。
価値観、が変わる
「ウェブ進化論」の頃からもう一段進み『もう一つの地球』という概念になったネット社会。
著者は「もう一つの地球上」では「経済から知へ」というパラダイムシフトが起こり始めていることを指摘する。
「金銭(経済)から思考(知)へ」。
この一言は今後の価値観の「大変化の潮流」を一言で表している。
生存、安全、参加、認知、自己実現。
「経済的なモノから知的創造へ」の志向は人類初の「自己実現へのパラダイム・シフト」ではないか。これこそ英知と。
「知の時代の萌芽」を見事に射抜く。
いつもギラリ、と光る梅田の視線。
数十年後の将来、今日を振り返って「知的革命が起こったのはいつか」と見たなら、それは梅田望夫が「ウェブ時代をゆく」で指摘して以後である。ということになるだろう。(と思う)
高速道路の存在
学習の高速道路。
羽生名人が提唱し、著者が名付け親。
これぞ構造化のフラッシュである。
いまや日を追うごとに「学習するためのネット環境」は整いつつある。
・また各国の一流大学の講義が無料でupされ出した。
・専門家の論文も公開されつつある(特に英語)
・googleもMSも、リアルの本をネット上に取り込み出した。(世界最大の図書館)
・議論したり、研究を進めたりする「距離の制約」はゼロに。
・ネットさえあれば、参加は限りなく自由に(2.0)
・著名な師にネット上で「レッスンを請う」こともできる。
(一昨年、ネットでつながった自動ピアノで、フランスからレッスンを受ける様子を見て肝をつぶした。先生にできないのは「じかに生徒の手に触る」ことだけだった。)
・「練習」が必要なものはネット上の「場」で24時間腕を磨ける(ex.将棋サイト)
なので若い人は何事も「そういう学び方」=高速道路があること、を意識しておくのは大切だ。
そこいらじゅうで今建設ブームだから、本当に「乗りたい道」が見つかるように、幾つも試してみることだってできる。
こういうことにネットを使うのはITの本分、と言ってよい。
ただし、高速道路は誰でも乗れる。
先の渋滞はいっそう激しいので、覚悟のこと、と。