東芝社長、西田厚聰(あつとし)。
日本に数少ない「強いリーダ」と称される。
日経BPサイトより
ウエスチングハウス(WB・米原子力大手)6200億で買収を発表。
三ヵ年の半導体投資計画発表、総額1兆200億円。
半導体ウエハー製造の東芝セラミックス売却発表、MBO、147億円
東芝EMIの保有株売却発表、売却益127億円
銀座の旧本社ビル売却を発表、売却益1300億円
ソニーの半導体製造設備の買収を検討、予想額1000億円
<日経ビジネス'07/10/1特集より>
決断の人、だと。
東大法学政治学研究科卒。
西田は、
イノベーションを起こし、応変力(状況の変化に対応し、自分たちも変わること)を高めよ、と常に説く。
また俊敏でも機敏でもなく「慧敏」たれ。慧は状況をよく見極めることだ、とも。
勤勉だけでなく
「理論と情熱の融合経営」とも題される社長は極めて勤勉だ。
毎朝四時半に起床、六時半には出社している。
社内の会議は七時半からだ。
誌面には、西田の幼少時のすさまじい「負けん気」とそれを貫き通す「努力」のようす(積み上げだ!)などが綴られているが、それはさておき。
西田は東大時代、丸山真男や福田歓一に師事した哲学者だった。
フッサールやフィヒテを研究テーマとしていたという。
少し抜き書く。
相互主観性とは、分かりやすく言えば、人間は異なる主観を持つ存在であるという前提に立ったうえで、相互にコミュニケーションを図ることで共通の主観を作り上げることが可能であるとの考え方だ。
個人主義の社会で、人と人とはどのようにして結びつくかを研究する学問と言ってもよいだろう。
(中略)
相互主観性。
難しい言葉だが。
そして言う。
西田は打ち明ける。
「大学院の時から持ち続けているテーマとして、認識と利害の関係がある。
人間の利害と無関係な、純粋で正しい認識は成立するのか。
これはまさに二律背反だが、いまだに私には解決できない。今でも解こうとしている。」
人は物事を認識する時、利害や偏見が邪魔をして正しく認識できないことがある。
だから、自分自身を突き放して、様々な立場から物事を見つめ直すことが重要だというわけだ。
「一歩引いて真理を認識する。
それは非常に難しい。
この訓練はずっとやり続けなければならないし、唯一、実現できるとすれば、それはコミュニケーションの先にしかない」
<同号p65-66より。原文は青字なし>
またしても出た
何に引っかかったのだろう。
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あれだ。
あれ。
「俯瞰」。
プロ弁護士の思考術の。
あの本では、弁護士である著者、矢部正秋の「仕事を通して練り上げた」究極の問題解決術、として
紹介されていたが。
その「真髄」はどうも哲学と同根らしい。
「人対人」の世界のことだから当然といえばそうなのかもしれぬが。
「一歩引いて真理を認識する」
「俯瞰」
はっきりと、今後の大事なテーマの一つ。