無理に半年をくくろうとしても、あまり意味はないかもしれないが。
自分なりに眺めてみて思うのは、「ソフト化」と「ネットワーク社会」の問題が最も気になる。
端的には「うつ」「無差別殺人」「偽装・不正」の三つ。
ソフト化の影響
ソフト化は、製造業から脱して「達成感を目に見えて得にくい」先進国が共通して直面する問題。
特にうつ病などが先進国の「単純労働者」に多いことも特徴的だ。
「見えにくい社会」にみな戸惑い、悩んでいるのだと思う。
ネットワーク社会の影響
そして、「ネットワーク社会の浸透」による特に若い世代間の「没コミュニケーション」。
飛躍的に便利になったネット社会だが、一方「組織や集団から孤立する傾向のある人」は比較にならないくらい、疎外されているのではないか。
匿名の掲示板などはネット社会の「吹きだまり」のようなものだが、もっとも「人格」から遠い存在だと感じる。
一見、コミュニケーションしているようで、実は何の温かみもない「相手」に通信し、ますます孤立感を募らせていく。
そこに手を差し伸べる「温かい存在」は匿名社会には稀有だろう。
最近起こる不条理な動機の事件は、そんな構造に見える。
ネットが孤立化を促す、というよりは「温かみに割く時間」が吸収されている感じだ。
単純に自分の生活を見てもそう。
家族や友人や同僚と過ごす時間よりも、どんどんネットがらみが増えているではないか。
偽装のこと
全ての偽装事件が「非常に悪質」かどうかはともかく、こちらは「ソフト化」していたものが「透明化」されて一気に表出してきているのか。
耐震偽装からここ数年、一気にそんな偽装が行われ始めるはずもなく。
これまでは「商慣習」とか「暗黙の了解」とか「資本家の隠匿」とかで成立していたごまかし。
いわば「ソフト化」していたものが、消費者や、告発者や、それこそ弱者の声なども、もはや隠せぬ社会になってきている。
偽装の表面化だけは「一過性のウミ出し」という感もあるが。
ソフト化する社会のどこに暮らすのか。
ネット社会に、温かみをどう保つのか。
について、下半期に考えてゆこう。