藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

2008年上半期所感


無理に半年をくくろうとしても、あまり意味はないかもしれないが。


自分なりに眺めてみて思うのは、「ソフト化」と「ネットワーク社会」の問題が最も気になる。


端的には「うつ」「無差別殺人」「偽装・不正」の三つ。


ソフト化の影響


ソフト化は、製造業から脱して「達成感を目に見えて得にくい」先進国が共通して直面する問題。
特にうつ病などが先進国の「単純労働者」に多いことも特徴的だ。

「見えにくい社会」にみな戸惑い、悩んでいるのだと思う。

ネットワーク社会の影響


そして、「ネットワーク社会の浸透」による特に若い世代間の「没コミュニケーション」。
飛躍的に便利になったネット社会だが、一方「組織や集団から孤立する傾向のある人」は比較にならないくらい、疎外されているのではないか。


匿名の掲示板などはネット社会の「吹きだまり」のようなものだが、もっとも「人格」から遠い存在だと感じる。
一見、コミュニケーションしているようで、実は何の温かみもない「相手」に通信し、ますます孤立感を募らせていく。


そこに手を差し伸べる「温かい存在」は匿名社会には稀有だろう。
最近起こる不条理な動機の事件は、そんな構造に見える。

ネットが孤立化を促す、というよりは「温かみに割く時間」が吸収されている感じだ。

単純に自分の生活を見てもそう。
家族や友人や同僚と過ごす時間よりも、どんどんネットがらみが増えているではないか。


偽装のこと


全ての偽装事件が「非常に悪質」かどうかはともかく、こちらは「ソフト化」していたものが「透明化」されて一気に表出してきているのか。


耐震偽装からここ数年、一気にそんな偽装が行われ始めるはずもなく。
これまでは「商慣習」とか「暗黙の了解」とか「資本家の隠匿」とかで成立していたごまかし。


いわば「ソフト化」していたものが、消費者や、告発者や、それこそ弱者の声なども、もはや隠せぬ社会になってきている。


偽装の表面化だけは「一過性のウミ出し」という感もあるが。

ソフト化する社会のどこに暮らすのか。
ネット社会に、温かみをどう保つのか。

について、下半期に考えてゆこう。