- 作者: 矢部正秋
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 文庫
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仕事にのみ人生を費やさず、バランスを取った生活を送るために。
誰もが苦しむ「不機嫌」の撃退法
気の持ち方を革命的に変える-人生はすべて主観の世界-
一九六九年の『未来研究』に、サラリーマンの生活時間を分析したおもしろい調査が載っている。
サラリーマン生活を三十年と仮定した場合、どのように時間を使っているかという調査である(『生涯教育』森隆夫 日本経済新聞社)
三十年間を日に換算すると、約一万一千日になる。
その中で最大を占めるのは睡眠時間で三千五百日だ。
次に大きいのが不機嫌な時間。千六百日。
食事が七百日。
人の噂をしているのが四百五十日。
トイレに入っているのが百二十日。
夫婦喧嘩が六十日。
(p254)
実に、「起きているうちの二十二%」が不機嫌な時間と。
人生即主観という考え方
「すべては気の持ち方次第」というようなことのようである。
ストア派の哲学者エピクロスが起源だろう、と著者は指摘する。
「人生即主観」をひらたくいえば「すべては気の持ち方次第」ということであろうか。
よくひかれる例だが、コップにミルクが半分はいっているとき「半分しかない」と考える人もいると、「半分もある」と思う人もいる。
当時の私は、間違いなく「半分しかない」派だった。(後略)
そして、影響を受けた(目からウロコらしい)カーネギーの訓も書いておこう。
カーネギーのいっていることは簡単だ。
「積極的にものごとを考えなさい。そうすれば道は開ける」
みじめな考えをもてばみじめになる。
恐ろしいと考えれば恐ろしくなる。
失敗を考えれば失敗する。
こんな否定的な考え方はやめなさい。
楽しいことを考えよ。
成功を考えよ。
人の人生は当人の思考によってつくられるのだ。
常に人生の明るい面に光を当てよ。
そのようにものを見るように心の持ち方を変えよ。
この本で、私は完全に目からウロコがとれた。
私は消極的な「心の癖」を直さなければならない。
思い切って飛ぶところに道は開ける。
彼の言動に背を押され、私は、サラリーマンの足を洗い、受かるかどうか、まったく保証のないままに司法試験に踏み出したのだった。(後略)
大胆に、積極的にものごとを考えること。
消極的考えにとらわれやすい脳という器械の癖を徹底して直すこと。
道を開くためにはそれが必要である。(p258)
ラーメン激戦区に「新規参入するなんて難しい」と考えるか。それとも
「美味しく、安いラーメンを出せば勝ち抜ける」と考えるか。
無謀は事故につながるが、「踏み出す思考」がなければ始まらぬ。