藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

「今したいこと」のワナ。-その一


子供のころは。
大人の食べているものが欲しかった。
が、それらが食べられる年になると、体によいものを、なんて気を使うようになった。


夜更かしもしたかった。
で、いくらでも夜更かしできる年になると、明日のことを気遣って、割と早く寝るようになった。


高校生のころは。
坊主学校だったので、髪の毛が伸ばしたかった。
で、卒業していくらでも伸ばせるようになったら、案外長髪というのはうっとおしく、結構小ざっぱり整髪していたりする。


大学生になると、何か「楽しい学問」をしてみたいと思っていた。
で、大学で自由に学べるようになったら、お金が欲しくてアルバイトばかりしていた。


大学生になると。
お金も欲しいし、いい会社にも就職したい。
そんなことばかりに目が行くようになった。


で、社会人になってみると「良い会社」に行くことよりも「自分の天職」を考え、探すほうがよほど大事だった、と気づく。
そして社会人なると。


より経済的、社会的に成功したいと思い、「そういうもの」を第一に追い求めるようになった。
「そういうもの」が何にも勝る唯一のものではない、と気づくのには10年以上の歳月を要した後に、今がある。


その時々の自分の価値観愚かなり。
だが、それは凡人としてはそれでよかろう、とも思う。
普通っぽくて俺らしい。


言いたいのはそういうことではなかった。
(つづく)