とうとう、自分の考えていることが「読まれる」時代がくるのだろうか。
パソコンで「視線」を追って先回りをする技術、くらいまでは納得感があったけど。
イヤホンやヘッドホン型のセンサーを身につけ、脳の活動を測る技術を開発する。
脳波や血液の流れから、感情や意識をつかさどる脳の働きを常に見守り、人の意図を推し量る。
機械を脳で操作する「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」技術として国内外の開発競争が激しい。
「自分がどうしたいか」というよりも先に「感情」がばれてしまう。
ちょっとした恐怖である。
実現目標に、高齢者らが重い荷物に困っていたら、手助けするロボットを20年ごろに実用化すると明記。
運転中に好みのレストランをすぐに表示するカーナビも実現する。
寒いと感じたら、動く空調機も期待できる。
仕事の後、あー、温泉に浸かりたいなぁ、と思ったら自宅のふろ場が温泉になっている、という感じか。
家に帰ったら、シチューがグツグツしていたり、妙に部屋が暖かかったり、知らない商品が届いていたら…
雑念が誤動作につながる恐れがあり、認識精度の向上や用途の見極めが必要。
そう。
雑念。
人は雑念の塊である。
だから隣のテーブルにきれいな異性がいても、いろいろ考えはしても、特に何も問題を起こさずにすんでいる。
「自分の雑念が実現されてしまう部屋」というのは不思議の国のアリス並みに恐ろしいものがある。
ある日、酔って家に帰ったら白クマがいたり、部屋が砂浜になっていたりするかもしれない。
自分たちの脳中というのはそれほど出鱈目であり、また自由な空間なのである。
脳と家電。
先日、量販店を通りすがったら、「3Dテレビ」が話題沸騰で驚いた。
家電技術はいよいよこれからの百年で「脳」と結びつき始めるのかもしれない。
「脳波で操作」実用化へ
メールやカーナビ
20年までに 産学官で新市場開拓
総務省は、人の意図や感情を読み取り、意のままに動くロボットや家電製品の開発に産学官で乗り出す。
今年度に研究計画を立ち上げ、2020年までに実用化する。
耳に掛けたセンサーで脳の活動を調べ、行き先を瞬時に探すカーナビや思い浮かんだ言葉をメール文に換える携帯電話などを想定。
電子機器の豊富な機能を誰もが使いこなせるようにするほか、こまめな操作で省エネを促す。
脳の産業応用は世界が注目、日本が実現目標を示した包括計画をまとめるのは初めて。
成長戦略で強化する脳科学とIT(情報技術)を融合、世界に先駆けて新市場を開拓する。
新分野の研究は、すでにトヨタ自動車やホンダ、日立製作所、島津製作所などが参入している。
新計画はこうした成果も参考に、総務省系の独立行政法人・情報通信研究機構と大阪大学、国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)などが産学官で進める。
イヤホンやヘッドホン型のセンサーを身につけ、脳の活動を測る技術を開発する。
脳波や血液の流れから、感情や意識をつかさどる脳の働きを常に見守り、人の意図を推し量る。
機械を脳で操作する「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」技術として国内外の開発競争が激しい。
実現目標に、高齢者らが重い荷物に困っていたら、手助けするロボットを20年ごろに実用化すると明記。
運転中に好みのレストランをすぐに表示するカーナビも実現する。
寒いと感じたら、動く空調機も期待できる。
雑念が誤動作につながる恐れがあり、認識精度の向上や用途の見極めが必要。
自動車の自動走行などは将来の課題だ。
胸の内を他人に探られる心配にも配慮する。