藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

誰がための抗がん剤。


厚労省抗がん剤など五品目を臨床試験をなしに承認するという。
パッと聞くと妥当な措置のようにも聞こえるが、ボーダレスの昨今、日本で認可されていない治療薬を求めて海外へ、特にインドその他へと治療に向かう患者も多いと聞く。


先日、がん専門の医師に話を聞く機会を得たが、現在の行政制度では致しかたないのだという。
日本は患者を輸出していることになる。
制度の硬直化はこんなところにも。


新政権での見直しを望みたい。

抗がん剤など5品目、臨床試験なしで承認へ 厚労省
海外で使われている医薬品を早く導入しようと、厚生労働省の検討会議は3日、五つの抗がん剤などの利用を臨床試験(治験)なしで認めてもよいとした。
来年5月までにすべて正式に承認される見通し。


5品目の医薬品は国内で承認されているが別の病気の治療には認められていない。
今回は抗がん剤のゲムシタビンの卵巣がんへの使用や、カペシタビンの進行性胃がんへの使用などが対象。
ゲムシタビンは膵臓(すいぞう)がんなどで、カペシタビンは再発乳がんなどで、認められていた。

海外で承認された医薬品が日本で承認されるまでにかかる時間差の解消策。


医薬品の承認には、人での効き目や安全性を確かめる臨床試験が必要。
効果や副作用の人種差もあるとされ、ほとんどは、国内での治験を求められる。
別の病気で承認されていれば、海外での使用や科学的証明になる論文があることなどを踏まえて治験をしなくても承認できる制度があったが、企業が独自に評価するのに時間がかかっていた。
今回はこの後押しになるという。(月舘彩子)