どうもこの現代においても、トータルで「身体のこと」は良く分かっていない部分が多い、と思う。
やれ健康法だの食事だの、サプリメントだのビタミンだの。
酵素とか活性酸素とか、善玉菌やコレステロール。
だけど、何か「自分に合った」と手ごたえのあるものに出会うと、割合そういうものに執着する性質であることに改めて気付いた。
食べ物とかサプリとか。
そうやって反省してみると、これまで十代、二十代、三十代と過ごしてきた中で、結構その世代ごとに何らかの健康法とか、それに根付いた生活習慣、なんかはあったと思う。
なにも中年以降に始まったことでもないのだ。
梅干を焼いたら健康にいい、とかアロエを食べる、とかクロレラを摂取せよ、とか。
ビタミンやミネラル類のサプリメントはかなり昔から「信者」が多かったようだし、キャベツやニンジンの栄養分だの、はたまた野菜の摂取を錠剤で摂れるもの、だのトウガラシや酵素などのダイエット成分を錠剤にした「ダイエットサプリ」は今でもおお流行りである。
最近は代謝を上げて脂肪を燃やす、というようなものが薬局の店頭に並んでいる。
こうして考えてみると、「球に近いような多面体の物体」を様々な角度から眺め、「ここからはこう見えるぞ」というようなことを自分たちは追いかけているのかもしれない。
物体の正体はもちろん「健康」である。
どの意見も「その面からみれば」正しいのだけれど、決して「それが全て」ではないところがもどかしい限り。
運動とかトレーニングとか。
運動にしても、ストレッチやヨガからウェイトトレーニングやジョギング、マラソンまでこれまた話題に事欠かない。
朝一番のアキレス腱ストレッチから筋トレ、呼吸法にウォーキングと、まあとてもじゃないが目移りして仕方ない。
また気に入った運動方法が長期にわたって継続できるかどうか、というのは別問題でもある。
将来の職業。
そう考えてみると、(ダイエットしたい、とか肩がこる、とか体質を変えたいとか)個人の持つ身体的な問題を健康とか、予防とか、美容とかの(お客の望む)観点から多面的に見直し、食事、運動、生活習慣すべてについて的確にアドバイスするような「医師+栄養士+トレーナー+(生活)カウンセラー+服飾アドバイザー+東洋医学者」を複合するような人がいて、その人の家庭環境や仕事に沿った本当に「トータルアドバイス」をするような職業が今世紀には登場するだろう、と夢想する。
今は「アガリクス」と「プロポリス」と「コエンザイム」と「ヒアルロン酸」と「ナイシトール」は我われにとっては何だか「全部がそれぞれ別物」だけれど、そういう化学物質と、「日々の食事」と、「運動」と、そしてそれらと「自分たちの生活環境」とを本当にトータルに相談できるような存在は、いよいよこれから出てくる存在ではないかと思うのだ。
「それぞれのテーマ」がさらに深堀され、医学がさらに発達してあらゆる分野の精度が高まれば、そんな夢のような「相談相手」が実現するだろう。
今世紀前半にはそんな職業が出てくるのではないかと夢想する。