藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ワールドウォレット。

珍しく日本の「高機能携帯」の代表機能のお財布携帯、がアメリカでも始まるという。
その名もGoogle Wallet。グーグルのお財布、である。
アメリカはその昔、アメックスが「現金のお葬式」を新聞に広告したほどのマネー先進国である。
これまで携帯電話にクレジット(または財布)機能が付いていなかったことがむしろ不思議なくらいである。
あの「小切手とトラベラーズチェック」一辺倒の国についに"お財布携帯"が上陸する。


今のVISAやMASTERが鎬を削ることになるだろう。
そして、実はこれが「ガラパゴス」と揶揄された日本の高機能携帯のデビューになるかもしれない。
お財布携帯は、文字通りキャッシュレスな用途だし、これがクレジットや公共交通機関のチケット、ガソリン代、スーパーでの買い物やポイント加算、などに使われ出したらあっという間に「デファクト通貨」となるだろう。
日本はまだ「現金主義」とか端末の普及率の問題で「何でも電子マネー」にはなっていないが、それでも電子マネーの可用率は都市部では五割を超える勢いである。(地方では、それこそ一割くらい。コンビニ以外では出番がない。)

本当のワールド財布。


さらに用途は広がる。
アメリカ国内もさることながら、もうEU(ユーロ)とか、東南アジアとか、南米とかアフリカとか、G20に加盟しているようなところは、統一通貨ならぬ「統一電子為替」で通用するようになるだろう。
例えば、その日のその国の午前零時の為替レートにしたがって、お財布内の「通貨」は、使用される国に応じたレートで変換され、例えば一万円のチャージが、瞬時に70ユーロに換算されたり、ドル圏では130ドルとして消費されたりするようになる。
そうすれば各国間の移動の交通費の精算も瞬時だし、変動為替とか、固定相場とかにも対応がしやすい。

ついに為替相場は、お財布の中にまでリアルに反映される時代がくるのだろう。

今各国間で約束されている「変動相場制」は、将来は本当に「自由な変動」をもたらすのかもしれない。
そうなれば円もドルもユーロも、そして元も統一通貨のようなものである。
かつて地球人は「そのような世界」を経済的に経験したことがないと思うが、インターネットの普及は「そんな透明化」を理論より先に実現してしまうのかもしれない。


それにしても、一つのお財布で世界各国をめぐり、自由に消費ができる世の中、というのは実に楽しく自由ではないだろうか。
ITがそんな助けになるのなら楽しみなことだと思う。

米でもおサイフケータイ グーグルが今夏サービス開始 米インターネット検索最大手のグーグルは26日、携帯電話をかざすだけで決済できるサービス「グーグル・ウォレット」を今夏に米国で始める、と発表した。日本で普及している「おサイフケータイ」と同様のサービスで、米国でも普及するか注目される。

 同社の基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載し、非接触のICチップを組み込んだスマートフォン(多機能携帯電話)で使えるようになる。米金融大手シティグループ、カード大手マスターカードなどと提携した。まずは韓国サムスン電子製のスマートフォン1機種で対応する。

 携帯電話を使った決済サービスは、ソニーが開発した近距離無線規格「フェリカ」を使った「おサイフケータイ」が普及した日本が大きく先行している。