藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分ありき、ではなく。

郵便不正事件の、いわば犠牲者の村木さんが国の賠償金全額を寄付するという。

主旨は「障害者が適正な取り調べを受けられるための活動や、社会復帰支援に」とのこと。

頭が下がる。
また検察もこのような形で、結局透明化が進んでゆく、とは予想しなかっただろう。
それにしても、このような善意というか、いや「真の正義」によって、周囲の価値観は突き動かされてゆく、ということを感じざるを得ない。

ある不幸な境遇・出来ごとを「それ」で終わらせないところが今回の村木さんのすごいところだろう。
自信の損得を突き抜け、「その先に何があるか」ということを考えての英断だと思う。
非常に教育的であると思う。

国家権力とは強いものだが、どうしても「淀み」はつきもの。
そうした劣化に、「負けず敢然と立ち向かう個人の姿勢」をぜひとも若い世代の人には知ってもらいたい。
周囲に支援者がいなくとも、「それでも貫く我が道なのよ」という気持ちを、周囲の自分たちは汲み取るべきではないだろうか。

村木さん、賠償金3千万を社会福祉法人に寄付へ
郵便不正事件で無罪が確定した厚生労働省元局長で内閣府政策統括官の村木厚子さん(56)が、違法捜査の責任を認めた国からの賠償金約3000万円を、長崎県雲仙市社会福祉法人「南高愛隣会」に寄付する意向を示していることが分かった。

同法人によると、田島良昭理事長が旧労働省障害者雇用対策課長だった村木さんと旧知の仲で、村木さんが起こした国家賠償請求訴訟では支援組織の代表を務めた。国側は昨年10月、約3770万円の支払いを受け入れており、弁護士費用などを除いた全額が寄付されることになる。

 村木さんは、障害者が適正な取り調べを受けられるための活動や、社会復帰支援に役立ててほしいとの考えを示しているという。同法人は犯罪を繰り返す障害者の更生の支援に活用するための基金を創設する考えで、3月10日には村木さんを招いて基金の発足式を行う。

(2012年2月17日23時43分 読売新聞)