藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

施策の思い違い。

増税原発再稼働や、東電国有化とか、子供手当カットや基地問題、内閣不信任案・・・

といろいろある中、「65歳までの希望者全員の雇用確保」が決まった。
はや来年度から施行されるそうで、あまり是非の議論をみないうちにスルスルと成立してしまった感じがする。


物事、あまり一面的なことは言うべきではない。
が、雇用問題は今の高齢化、縮小経済のなかでは一番の難題である。
また政策立案する側から言えばこういうことになるのかもしれないが、”民間”から言えば、「経済が伸びる環境がどんどん悪くなっている状態」で、雇用の維持だけでも一苦労なのに、さらに定年延長とは・・・という思いも強い。

そして(国というリーダーが)何より警戒すべきはこうした施策が「それでも成長分野や方法を探す」という方向に皆が向かわず、「法律や規制の形式だけをまもればいいや」という消極側に振れることである。

よくある「強制タイプ」の統治スタイルである。
グループのリーダーが長期的なビジョンを描き、「頑張る目標」を掲げるのはよいが、それが上意下達の「申し渡し」になったとたんに、総員がやる気を失う。
あとは少しのアメと鞭を駆使した使役的な活動ばかりが残る。
こうなっては「国の力全体」が衰退してゆくばかり。

国としては、「長期間働ける環境づくり」と「年金額の関係」とか、
所得税とか、医療費とか、生活保護とか、要するにもうすぐ四人に一人になる”65歳以上の人たちの将来”の道筋を指し示す必要があるのである。

財産をいちばん多く持つ高齢者が、消費をしないわけは「将来の政策に信頼感がない」からである。
ただでさえ、郵貯メガバンクの預金で国債ばかりを購入している、と不安になる話ばかりが先行している。

政権は、「国の信頼」という究極の道具を使うことが出来る。
目先の対応のためにではなく、もっと大きな夢を描くためにその与信を使えばいいのに。
国の船長に右往左往されては、乗組員の不安が募るばかりなのは道理である。

65歳までの継続雇用義務化、衆院委で可決
衆院厚生労働委員会は1日、希望者全員の雇用を65歳まで確保するよう企業に求める高年齢者雇用安定法案の改正案を民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決した。労使の合意で継続雇用の対象外となる人を決められる今の規定を廃止し、厚生年金の受給開始年齢引き上げによって職も年金もなく無収入になる人が出るのを防ぐ。
 このほか継続雇用先の範囲を子会社から関連会社に広げたり、指導や助言に従わない企業名を公表したりできるようにする。今国会で成立すれば2013年度から新制度が始まる。