藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

タクシードライバー、ドラログランキングはどう?

営業マンであれ、サービス業であれ、その程度はピンからキリまであるのは世の中の常である。
航空機の パイロットは長距離の国際線はほどベテランがあたるというけれど。

短距離ではよくタクシーを利用するのだが、タクシーのソフトウェア(つまりドライバーの接客技術全般)ほどバラついているものも珍しいと思う。
その最大の理由は「一回性」だろう。
お店ならば、接客とか提供する物の品質について、常に定性的に責任を負わねばならない。
路線バスや公共機関のドライバーならば、そう毎回ではないにせよ、やはりかなり固定的に仕事をすることになる。
一方、同じタクシーに何度も乗ることは珍しい。
(もし同じ車に乗り合わせても、特に特徴的な会話をしない限りその「再会」にも気付かないだろう)

タクシードライバーからはよく「横暴な客のこと」を聞くことがあるが、いちいち乗客の側から「あるべき接客の未来について」などと話すことはほとんどない。
ある種の諦めというか、「まあそんなものだろう」と醒めてしまっているのである。

秀逸の技術。

つい先日流しで拾ったT交通のタクシー。
乗った途端に低く静かな声で「どちらまで参りましょうか。」
紀尾井町までお願いします。」
「はい。かしこまりました。」
混雑する銀座や新橋を越え、頻繁に車線変更を繰り返すが、何か感覚が違う。

ハイヤーに乗っているように衝撃が少ないし、何より加速感、減速感がまったくないではないか。
結構なスピードを出し、割合頻繁に車線変更をするにもかかわらず、一つ一つの車の挙動がまるで流れるようで、車に乗っている心地よさまで感じてしまうほどであった。

もちろん、コースの指定や目的地の聞き込みも正確で隙がなく。
余りに不思議だったので思わず「乗り心地がいいですね」と声をかけると、「有難うございます。私三十年ほど銀行の運転手をしておりまして、マナーには厳しかったもので…そのせいかもしれません。」
とのことだった。
だからか。
気を使う運転をすれば、ここまでの接客と運転技術になるのかと驚いた。
できれば彼のようなドライバーが評価され、またドライバー仲間の目標になるような仕組みがあればいいのに、と思った次第。
最後に降りる自動ドアの開閉も非常にスムースだった。

タクシー業界の人へ。
タクシー会社やドライバーの人気度をスコアリングして、外部にわかるように表示しながら流してもらってはどうだろうか。
お客にとっても、接客品質の向上にとっても有益にちがいない。
なかなかお目にかからない「四ツ星タクシー」なんかに遭遇した日には、嬉しくて思わず手を挙げてしまうのではないだろうか。