藤野の散文-私の暗黙知-

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民法(債権法)改正―民法典はどこにいくのか

民法(債権法)改正―民法典はどこにいくのか

今日民法改正の大綱がついにまとまったらしい。
ここ数年「民法大改正」というキャッチフレーズで法曹界だけでなく、ビジネスの法務担当者を騒がせてきた問題の輪郭がはっきりしてきたようだ。

「今回の改正は第1編の総則の一部と、第3編の債権法の計約400条分が対象」とのことである。
法律家ではなくとも、今回の改正が実務上にどのような影響をもたらすのか、また契約法務の対応はどの程度必要なのかを知るために、一通り目は通しておきたいものだと思う。


この法律は実に重要な目玉で「売買や不動産の貸し借り、建築の請負、サービスの提供、借金の保証など、様々な契約のルールを定めた債権法は、制定から1世紀以上変わっていない。」という。
つまりこれまで培われてきた「商慣習」などもこうした法律に則って習慣化してきた部分も多いわけで、時代の流れが「どのような契約や商習慣を志向しているか」を知るうえでも重要なスキルになるだろう。

つまりつまり、こうした知識があっても「営業成績は伸びるわけではない」けれど、
こうした知識が欠けていると法的な「事故」すら起こる可能性がある。
最低限の法律知識と、実務スキルは備えておきたいものだと思う。

日本人は、法的争論をあまり好まない性質があるが、だからといって「法的知識」がなくて許されるわけではない。
いざ争いになったとき、争点はどの部分で、戦略はどのように立てるべきか?という問題に対応するには、日頃からそうしたリーガルスキルの醸成も必要だろう。

自らの防衛の意味も込め、法改正の動きには注意しておきたいものである。

契約ルール、120年ぶり全面改正へ 個人保証制度など
 【西山貴章】経済活動の基本となる契約のルールなどを定めた民法の債権に関する規定(債権法)の改正に向けて、今後の「たたき台」となる中間試案が26日、まとまった。法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会が議論してきた。全面改正は1896(明治29)年の制定以来。複雑化した現代社会に対応し、消費者保護を重視した規定も明文化する。
 大きく変わりそうなのは、個人保証の制度だ。連帯保証人を引き受けた人が多額の借金を背負い、破産や自殺に追い込まれるケースが後を絶たないことから、中小企業などへの融資では経営者以外の個人保証を禁じる規定を検討する。
 企業が不特定多数の客と取引する際、詳細な契約条件を一方的に決めて同意を求める「約款」のルール新設も盛り込んだ。インターネット取引などで広く使われるようになった半面、消費者がよく読まずに契約しトラブルになるケースも多い。このため、法的な効力や限界を明確にし、不当な内容は無効とする方向だ。
 このほか、未払い代金などを請求できる期間を定めた「消滅時効」は統一化する。料理店の飲食代は1年、病院の診療費は3年などと現行法では職業別に分かれているが、5年に統一するなどの案を示した。
 支払いが遅れた時に上乗せされる利息(法定利率)も、従来の年5%では高すぎるとの批判があり、3%に引き下げる。常に経済情勢に合った利率にするため、年1回0・5%幅で見直す変動制を導入する。
 また裁判例で積み重ねられてきたルールも明文化。相手の弱みにつけ込んで過大な利益を得る「暴利行為」を無効としたり、契約当事者間に大きな情報格差がある場合は、詳しい側に情報提供を義務づけたりすることを検討する。
 中間試案に対する意見を4月から募った上で、部会でさらに議論。答申を受けて法務省は、2015年中に改正法案を国会に提出したい考えだ。
     ◇
 〈債権法〉全部で1044条ある民法は総則、物権、債権、親族、相続の5編からなり、債権部分をこう総称する。今回の改正は第1編の総則の一部と、第3編の債権法の計約400条分が対象。売買や不動産の貸し借り、建築の請負、サービスの提供、借金の保証など、様々な契約のルールを定めた債権法は、制定から1世紀以上変わっていない。社会や経済の変化に対応させるため、2009年に千葉景子法相が法制審議会に改正を諮問。民法学者や弁護士、消費者団体代表ら30人余で構成する専門部会が議論を続けている。