藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

月20億枚。

日本でも高度成長期の後に普及した紙おむつ。
出始めは何か不経済な気がしたものだが、便利は勝つ。

手軽さが受けて瞬く間に普及。
もう日本でも20年前くらいからは「布おむつ」は姿を消した。
(ちなみに40年前は皆"布"だった)

そんな便利の波が中国に押し寄せている。
布おむつ中心の今の中国社会に、また急速に高分子おむつが普及しているという。
近いうちに月間20億枚になるらしい。
今は一枚70円する日本製の紙おむつは、現地生産することで輸送コストを減らし、30円にまでなるという。
5元のおむつが2元になれば、普及も早いだろう。

それにしても、気になるのはその後始末。
日本もそうだが、成長国のゴミや廃棄物の凄まじさを見ていると、この星はいつかゴミの方が多い星になりはしないか、と心配になる。
日本は先進国のようだが、結局ゴミは「埋めるか燃やす」というだけである。

エネルギーが続く限り、どんどん作って、どんどん燃やす、という今のスタイルが続かなくなる時が今に来るだろう。
今の経済ルールではまったく視野にない公共的な「環境税」のようなものが、我われの経済活動の柱になるのではないだろうか。

消費税ではなく「環境税」のようなものが、販売価格の50%課せられる、といった具合に。
その意味では、2013年の我われもまだ「使い捨て社会の末尾」にいる。
その常識が覆る社会がくるのは今の「平成の次の年号」の辺りからではないだろうか。
そして、この50年については「何とロスの多い使い捨ての時代」だったのか、という風に顧みられるような気がする。
次の世代は成長至上ではなく、「低カロリー、完結(サスティナブル)」が美徳になるだろう。

ちょっとそんな感覚を先取りしておきたいものである。

おむつ巨大需要「吸収」へ 日本勢、中国進出を加速
品質のよい日本製とわかるように、日本と同じブランドで売られている=北京市内(大王製紙提供)

中国の紙おむつ市場は伸び続けている
 【大和田武士】紙おむつメーカーが、中国進出を加速させている。大王製紙花王現地生産を本格化させ、巨大市場での「地産地消」の態勢を整える。輸出中心だった戦略を見直し、輸送費を減らすことで生産コストを下げて、価格競争力を高めるねらいだ。
 「グーン」ブランドの大王製紙は25日、沿岸部の江蘇省で工場を新設すると発表した。総工費は約60億円。いまは中国で販売する紙おむつは日本から輸出するが、11月から現地で月産3千万枚の態勢を整える。現地法人の藤田浩幸社長は「一人っ子政策の中国では品質の良い日本の紙おむつへの関心が高い」と話す。
 昨年に内陸の安徽省に工場を建てた花王も1月から、中国で「メリーズ」ブランドで販売を始めた。現地生産に切り替え、販売価格を日本の約6割に抑えた。
 1995年から中国進出を始めた「マミーポコ」のユニ・チャームは、上海と天津に4工場を持ち、販売シェアも約12%と現地企業より高い。沿岸部中心の販路を今後は内陸部にも広げて、今年度中に江蘇省に新工場を立ち上げる。
 各社が中国市場に本腰を入れるのは、中国の紙おむつの消費量の急拡大が背景にある。大王製紙によると、紙おむつ消費量は月約10億枚で、いまでも日本のほぼ2倍。人口の増加に加え、いまは布おむつを使う家庭の紙おむつへの切り替えがこれから進み、2020年には月20億枚以上に膨らむと予想する。
 財務省の貿易統計によると、日本の紙おむつの輸出額は12年に約500億円で10年前の5倍。中国向けが最多で全体の2割を占める。だが、紙おむつは単価が安くてかさばり、輸送費が輸出のネックだった。日本で1枚30円の品は中国に運ぶと約70円になる。
 大王の佐光正義社長は「現地生産で生産コストを抑え、価格競争力を強化したい」と話す。
 毎日使う品だけに、中国に合った製品の開発がメーカーの課題。日本メーカーの売りである肌ざわりやはき心地といった品質は落とさず、中間層でも買える価格設定にするため、日本で当然の人気キャラクターの絵柄はつけず、捨てる時におむつを丸めるテープは外すなどの工夫をこらしている。