国の借金が増え続けている。
異次元緩和も拍車をかけて、そして年金制度や小さな政府への過渡期でもあるから、ある程度の国の支出は止むを得ない面もあるだろう。
それにしても1000兆円とは、国家予算もさらにはるかにGDPも超え、それにしても「大借金」と言ってよい。
グローバル経済の世の中だが、お互いの国がお互いのクレジットで経済活動をしているという点で見れば、まさに「全財産を担保にして借金している」という感じである。
これで「財産の担保」がなくなればどうなるか。
即破たんか、というとそうでもないだろう。
まだ、「支払能力」が残っているのなら債権者は待つものである。
日本はまだ国債の利払いや償還をストップせずに、償還後「新規発行」という多重債務でしのいでいる。
結局は与信であり、借金の額そのものが絶対値として問題なのではない。
見るべきは日本の与信がいつ切れてしまうのか。ということである。
多くのアナリストが唱える「国債未達」とか「償還不能」で即日本経済が破たんするか、と言うとそうではなく。
しかし、その後の返済過程において、「もう利払いも無理だな」とか「もう単年度で黒字にはできないな」と判断された自伝が"ゲームオーバー"であろう。
「1000兆円の借金の利息が1%上がれば"10兆円"」であるから、まあ、4%ももし利息が上がれば、今の国家予算を超えるので、これはもう破たんしかない。
うまく家計を持たせるには、そうした返済計画を対外的に示せねば難しい。
国債の利息の安いうちに手当てできるかどうかが分水嶺だと思う。
破たんに向かい始めたら、自分たち一人ひとりが自己責任で身を守る方法を考えねばならないだろう。
国の借金、991兆円 13年度末には1千兆円台へ
国の借金は1千兆円の大台に
【大日向寛文】財務省は10日、2012年度末の国の借金残高が前年度末より31兆6508億円多い991兆6011億円になり、年度末では過去最大を更新したと発表した。安倍政権は景気回復を優先し、今年1月に約10兆円の経済対策に踏み切ったため、借金がさらにふくらんだ。13年度末にはついに1千兆円の大台を超える見通しだ。
借金の内訳は、政府が投資家から借りるために発行している「国債」が821兆4741億円(前年度末より32・1兆円増)、金融機関からの「借入金」が54兆8593億円(同1・1兆円増)、為替介入などの資金をまかなうために発行する「政府短期証券」が115兆2677億円(同1・6兆円減)だった。
借金が大きく増えたのは、12年度当初予算で44兆円の国債を新たに発行したのに加え、安倍政権が経済対策のために12年度補正予算で7・8兆円の国債を追加発行したからだ。借金返済などと差し引きして30兆円を超える増加になった。
13年度当初予算案でも新たに43兆円の国債を発行することになっている。このため、財務省は13年度末には借金が1107兆円に達すると予想している。
政府は財政再建のため、政策に使う経費を税収でまかなえるかどうかを示す「基礎的財政収支」の赤字額を減らす目標をたてている。具体的には、国内総生産(GDP)に対する赤字額の割合を「15年度までに半減、20年度までにゼロ」にすることを目指す。
しかし、今のままでは来年4月から消費増税しても目標達成は難しい。安倍政権は財政再建の道筋を6月にも出すつもりだったが、7月の参院選後に先送りしており、借金の膨張に歯止めがかからない状態だ。