藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

そろそろ、これからの進化を考える。

ウェブの考案者、バーナーズ・リー氏のインタビュー記事。
若い人は、ベルリンの壁崩壊と同時に始まったインターネットの歴史を(まだそれほど前でもないので)、一度知っておいた方がいいと思うが、気になるのはやはりこれからである。

実際、自分の周囲のIT関係者も、老いも若きも揃って「これからのweb」について思いを巡らせているのがよく分かる。
一見もう「一人一台」にまで普及したネットワーク社会は飽和しているようだが、実は関係者と討論していると"まだまだこれから"というのが一致した見方のようである。

言ってみればインフラの普及が一段落したのが現在であって、"活用"はこれから始まる、というのが皆の共通した見解である。

先だってはGoogle glassがニュースになっていたが、ミクロ的には「全ての音声、画像、テキストデータが記録される状態になってから」がようやく「その先の進化」への入り口なのではないだろうか。

もうすべての日常が「データ記録化可能」になれば、それの利用方法もどんどん広がる。
リー氏は「テキストデータの利用のオープン化」に言及しているが、これもとば口であり、
これからは「あらゆるものが記録される中」でそれらを「どういう視点(インデックス)で整理してみるか」というストーリーが重要になってくるだろう。

司馬遼太郎が独特の歴史観と取材方法で傑作を創作してきたように、「あらゆる記録の中から、何に着目し、どのような編纂をするか」という"解釈性"とか分析と分析結果同士をつなぐ"ストーリーの発想力"も試される。

テキストデータをはじめに、音声、映像、定点観測データなど、すべてが五つ星になるのが次のウェブ社会ではないだろうか。
今の「便利な世界」とはまた違った高度化が実現されているのに違いない。

今の世界を離れて、先へ先へ、と想像を伸ばしてみるのも必要なことに違いないと思う。

WWW開発者「ウェブアプリこそ未来」 慶大教授と対談
【戸田拓】千葉・幕張メッセで12日に開幕したネットワーク技術の展示会「インターロップ東京2013」のイベントで、インターネット上で広く使われている情報共有の仕組みワールド・ワイド・ウェブ(WWW)を考案したティム・バーナーズ・リーさんが、村井純・慶大教授と公開対談した。注目を集める「オープンデータ」のあり方などについて語り、ウェブ技術のさらなる発展に意欲を示した。
 バーナーズ・リーさんがWWWの仕組みを提唱したのは、ベルリンの壁が崩壊した1989年。在籍していた欧州原子核研究機構(CERN)で、異なるコンピューターにある大量の文書同士をリンクして参照できるシステムを、当時アップル社から離れていた故スティーブ・ジョブス氏が開発したNeXTワークステーションで作った。
 WWWの技術仕様は無償で公開され、世界中のコンピューターが境なく情報を自由にやりとりする基礎技術となった。
 現在もウェブ技術の標準化を進めるワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)の中心メンバーとして活動しているバーナーズ・リーさんは、対談でネットの今後の進化について、「ウェブアプリこそが未来」と言及。それぞれの端末に合わせたプログラムに代わって、ネットへの接続さえあれば機種を問わずウェブブラウザー上で機能を実行できる「ウェブアプリ」が、さらに高機能になり一般化する、との見方を示した。
 また、昨年発表した「五つ星オープンデータ計画」についても紹介した。これは、ネット上で各種データを制限なく共有し利用する「オープンデータ」の普及に向けて開発したものだ。
 紙データをスキャンするなどしてウェブでアクセスできるようにしただけの状態をひとつ星とみなし、編集可能な形式に変換するなどデータが利用しやすくなるごとに星が増えていくモデルを提案し、データの使いやすさの指標を示した。
 五つ星オープンデータはすでに英国政府のデータポータルサイトhttp://data.gov.uk/)で採用されている。対談では、日本のネット発展に草分けからかかわってきた村井氏も「いいアイデア津波地震などの自然災害を経て、日本はデータ共有について多くの経験を学んだ。このような理想的なかたちで実現できれば」と賛同した。
 また、バーナード・リー氏はアジアなど非英語圏のインターネットに期待することを問われると、「自分の文化をネットできちんと伝えていく責任がネット利用者にはある。国にかぎらず街などや、たとえばダンスやアートの愛好家も、それぞれがコミュニティーを作っている。多様性を守るために自分のコミュニティーについて発信してほしい」と話した。
 今年20回目を迎えたインターロップは、ネットにかかわる技術やサービスなどを扱う388社が出展。開催は14日まで。