藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

経営者の目線。

昨日の藤巻氏に続き。
ワタミの渡辺さんも「ブラック企業」としてずいぶん揶揄されての当選。
よく当選されたし、また有権者もいくら噂が先行してもちゃんと選べる部分もあるじゃないか、とも思った。
渡辺氏の言動、どこを見てもブラックな気がしない。

インタビュアーは「24時間働け、と社内冊子に書いてありますが?」と質問するが、それが労働基準についてのものではないことは明らかである。
「常にお客様の方向を向け」というのはサービス業であれ、製造業であれ金科玉条である。
それを労働集約云々で、スケープゴートにしてしまえ、というマスコミの報道姿勢の方が問題ではないだろうか。

それにしても、こうした「理不尽な風評」について、やはり企業の修羅場を経験した人たちは強い。
思えば、日常の商取引などは、「信頼」もあるが「理不尽も平気にある」というのが普通である。

総論で言えるのは、この国がつぶれないためには、みんなで我慢しなきゃいけない。年金も我慢、医療も我慢。お金のある人は自分で払う。それで弱い人を守っていく。みんなで我慢して弱い人を守っていく社会を、どう作り上げていくのかが、これから日本の大きな課題だ。

我慢する人も大事だが、「現状を否定する勇気」も今の体制側の人には大事なことで、ここが日本の既得権益の最大のネックになっているといってもいいと思う。

民間の経営者がどんどん政治に参加し、「当り前の考え方」を政治の世界に普及させてもらいたいものである。

参院の注目新人)「ブラックじゃない」 渡辺美樹
■自民・渡辺美樹氏(53)

 【大津智義】――自民党は大勝したのに、当選後に「想像を超える逆風だった」と話していましたね。

 「マスコミや一部の政党から『ブラック企業』批判の標的となった。週刊誌に書かれた1行1行に違うとは山ほどあったが、おもしろおかしく書かれる恐れがあったので反論はしなかった。打たれるがままのサンドバッグ状態だった」

 ――確かに「ブラック企業」と言われています。

 「5年前に1人の新入社員が労災によって自殺したことは事実だ。会社をあげて命がけの反省をしている。第三者委員会も立ち上げた。事実として受け止めるが、社会が『ブラック』とレッテルを張るなら何らかの基準が必要だ。離職率が高いのか、給料が安いのか、労災事故が頻繁に起きているのか。この会社はブラックだから、就職するときは注意しましょうという法律を作れと言うなら、喜んで議員として参加させてもらう。リンチ的なブラックのレッテル張りは間違いだ。我々の賃金は安くないし、しっかり労働時間を管理している」

 ――社内の冊子には「365日24時間死ぬまで働け」と書かれています。

 「前後を読んでほしい。仕事で時間とお金のやりとりをしちゃダメ。仕事は生き様であって仕事を通して生きがいとか成長がある。だから、365日24時間という気構えでやろうということだ。みんなで助け合いながら一人一人の成長に寄り添っていこうという話。この1行だけで『ブラック』というのはおかしい」

 ――労災での過労自殺は何が原因なのでしょうか。

 「なぜ採用したのか。なぜ入社1カ月の研修中に適性、不適性を見極められなかったのか。なぜ寄り添えなかったのか。本当に命がけの反省をしている。ワタミグループの役職をすべて離れたが、創業者として心配だ。だから実は昨日、中堅幹部500人を集めて、二度とこの不幸を起こしちゃいかんと話し合った。しかし、我々の幸せ感とか労働観は、我々の文化だから守らなきゃいけない」

 ――安倍政権が財界に求めたように、ワタミグループも賃上げをしますか。

 「議員としては求める。してほしいな。しかし、経営者側から言うと社員の幸せのためにも、まず利益を出さなければならない。順番を間違えると経営が崩れる。将来、いいねとなった時にボーナスを使う。そうした雰囲気になったら、飲食店なりお弁当屋なりの売り上げが上がる。夏のボーナスの使い方で例えば7、8月の消費が強くなれば、十分に賃金を上げられる余地が出てくると思う」

 ――年内に上げますか?

 「年内に。はい」

 ――参院選に立候補した経緯を教えてください。

 「地元が同じ横浜市菅義偉官房長官とはわりと連絡をとっていて、3月くらいに出馬要請があった。4月には安倍晋三首相、菅氏と3人で食事をして、首相から話をもらった」

 ――首相は何に期待していたのでしょう。

 「農業だ。環太平洋経済連携協定(TPP)が進んでいく。ワタミファームをやっていたので僕はどうしたら農業が勝てるかわかっている。農地は企業が取得すべきだと思うし、農業は株式会社化すべきだ」

 ――最初に取り組みたいテーマは何ですか。

 「やっぱり中小・ベンチャー・零細企業の支援です。ここを徹底的にやりたい。どこでどう助けたら一番彼らが喜ぶのか、どういう支援が必要なのかは、自分が中小・ベンチャー出身だったので、誰よりもわかっている。アベノミクスの第3の矢がうまくいくには、そこしかない」

 ――国会議員の働きぶりはどう見ていますか。

 「まだ働きぶりをみていませんから。総論で言えるのは、この国がつぶれないためには、みんなで我慢しなきゃいけない。年金も我慢、医療も我慢。お金のある人は自分で払う。それで弱い人を守っていく。みんなで我慢して弱い人を守っていく社会を、どう作り上げていくのかが、これから日本の大きな課題だ。いま一生懸命、自民党の公約を読み直している。議員が命をかけてみんなでやったら無駄は一切ないでしょうね」

 ――国会議員は、365日24時間死ぬまで働かないといけないでしょうか。

 「その通り。国民のために」

     ◇

 わたなべ・みき 1959年、横浜市出身。経理会社や運送会社で勤めたのち、84年に外食チェーンワタミを創業。2011年の東京都知事選で都議会民主党の支援を受けたが落選。今回の参院選立候補でワタミの役職をすべて退いた。