藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

万病に効くかも。

コーヒー党にとっては追い風。
肝臓がんを半減し、血栓を予防して脳卒中を防ぎ、代謝を上げて内臓脂肪を燃やす。
含まれるカフェインは細胞を保護し、クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、しかも69種類もあるという。
アルツハイマーパーキンソン病にも効果が期待されるというから、まるで万能薬のようである。
さらには「シミの予防」まで出来ると聞いてはむしろ積極的に飲みたくなったりして。

友人が「いも焼酎のポリフェノールで健康や!」とロックでがぶがぶ飲んでいたが、飲み過ぎはともかく、美味しい健康法の一つではないだろうか。

がん、糖尿病に効果 「コーヒーで健康」のウソ・ホント
2013/11/6 6:30ニュースソース日本経済新聞 電子版
 かつては「発がんリスクを高める」ともいわれた珈琲(コーヒー)。現在、その評価が変わってきている。
 珈琲の機能性について研究が始まったのは1960年代。黒く焼け焦げた食品の発がん性が問題視され始め、豆を焙煎している珈琲も発がんリスクについての研究報告が公表され、話題になった。
 だが90年代以降、状況が変わった。珈琲愛飲家にはたばこをたしなむ人も多かったため、たばこの影響を排除した精度の高い調査が行われるようになった。すると、珈琲の健康効果を評価する研究が相次いで報告されるようになったのだ。
■クロロゲン酸とカフェインの働きに注目集まる
 国内外で大規模な疫学調査が行われるようになったことも大きい。日本人の食習慣や生活習慣を長期間追跡し、病気の発生・予防要因を調査分析している文部科学省科学研究費大規模コホート研究JACCスタディ。代表の玉腰暁子さん(北海道大学大学院医学研究科教授)によると、「11万人を追跡した肝臓がん調査では、珈琲を毎日1杯以上飲む人はほとんど飲まない人に比べ、肝臓がん死亡の危険度が約半分に低下した」という。
 また、国立がん研究センターが5万4000人に対して行った調査では、珈琲を週2日以下しか飲まないグループに比べ、毎日珈琲を1〜2杯飲むグループの子宮体がんの発症リスクは約4割低かった。
 こうした健康効果に関与していると考えられるのが、珈琲に含まれるクロロゲン酸とカフェインだ。カフェインは、細胞を保護する役割が近年注目されている。クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、正常な細胞が、がん化するのを抑止する働きがあるとされている。しかも、珈琲に含まれるクロロゲン酸類は69種類と非常に豊富だ。
 日々の食べ物や運動不足といった生活習慣に起因する2型糖尿病についても、オランダの研究グループをはじめ、世界各国で珈琲による予防効果が報告されている。詳しい仕組みはまだ解明されていないが、「クロロゲン酸による血糖値上昇の抑止作用や、カフェインの基礎代謝促進作用などが役立っているのではないかと考えられる」(UCC上島珈琲R&Dセンター)。
アルツハイマー病や通風への効果も検証が進行中
 このようにがんや2型糖尿病については、珈琲の効果に対する評価がほぼ定まってきているが、ほかにもさまざまな分野で検証が進められている。その一部をまとめたのが下表だ。アルツハイマー病や動脈硬化などへの影響についての研究も行われている。
珈琲を飲むことで期待できる主な健康への影響(UCC上島珈琲R&D センターの資料を基に作成)
 半面、珈琲にはごく微量だが、発がん性を指摘されているアクリルアミドが含まれている。ただし、コーヒーの摂取とがんによる死亡との関係について、2011年にJACCスタディが公表した9万7000人の追跡調査によると、「この調査結果では、珈琲を飲むことはむしろ死亡リスクを下げており、がんにも悪影響を与えてはいないようだ」と玉腰さん。また、UCC上島珈琲R&Dセンターでは、麹菌を使い珈琲のアクリルアミドを低減させる技術の開発も進められている。
 総じて、珈琲はさまざまな健康効果が期待できるといえそうだ。とはいえ、あくまで食品で、薬のような効果が望めるわけではないことは心得ておきたい。また、珈琲のカフェイン量は煎茶の約3倍。カフェインには覚醒作用や解熱・鎮痛作用、胃酸分泌作用などがあり、過剰摂取すれば副作用の恐れも。飲み過ぎには注意したい。
■珈琲と健康、ウワサの真相
 飲むと痩せる、美肌になるなどと、さまざまな効果が話題になる珈琲。果たして、その噂は本当なのか。また、健康効果をアップする飲み方のコツはあるのか。ここでは、珈琲と健康にまつわる5つの“ウワサ”について検証する。
No.1:珈琲を飲んで運動すると痩せやすい
 珈琲を飲んでから30分間ランニングした人は、白湯を飲んだ後に30分間ランニングした人に比べ、エネルギー消費量が多くなることが、東京慈恵会医科大学・鈴木政登教授の実験で確認されている。珈琲を飲むと、含まれるカフェインによって交感神経が優位に働き、血中で遊離脂肪酸の放出が促進される。このとき運動すると、脂肪がエネルギー源として使われやすく燃焼効率がアップするという。
 さらにラットを使った実験では、カフェインと運動との組み合わせで、内臓脂肪が60%減少したという結果も出ている。
肥満・糖尿病モデルラットの体組成の変化(CTスキャンによる解析画像)。「安静」「カフェインを与えて安静」「カフェインを与えて運動」というグループに分けた、肥満・糖尿病モデルのラットと正常モデルラットで実験。24週齢時と療法後の31週齢時にX線CT装置を用いた体組成の解析画像(東京慈恵会医科大学・鈴木政登教授)
No.2:健康効果が大きいのは浅煎りより深煎り
 深煎りのほうが、見た目にも黒く、浅煎りよりも“効きそう”な印象もある。しかし、実はカフェインの含有量は、焙煎度合いによる差はほとんどない。
 一方、珈琲のもう一つの主な有効成分であるクロロゲン酸の含有量は、生豆の状態が最も多く、焙煎が進むとむしろ減ってしまう。だが、クロロゲン酸の摂取量と疾病予防効果とが比例するとは限らず、「摂取量に関係なく血糖値の上昇を抑えたという実験結果もある」(UCC上島珈琲R&Dセンター)。焙煎度合いによる効果の差は一概にはいえないようだ。
No.3:脳卒中予防に珈琲が効く
 珈琲を飲まない人に比べて、1日1杯以上飲む人の脳卒中による死亡リスクが低いことは、国立がん研究センターやJACCスタディの調査で報告されている。さらに脳卒中の原因になる血栓について、東海大学医学部の後藤信哉教授がマウス実験を行っている。「水」「珈琲」「カフェインを水に溶かしたもの」を与えた3つのマウス群では、カフェインよりも、珈琲を飲んだマウスのほうが、はるかに血の塊ができにくかった。関係する成分の特定は未解明だが、珈琲を飲むことが血栓予防に働いているといえる実験結果だ。
水、珈琲、カフェインを与えたマウスの血管に血の塊ができるまでの時間。水を飲んでいいマウス、珈琲を自由に飲んでいいマウス、カフェインを水に溶かしたものを与えたマウスの、1週間飲用後の血の塊ができるまでの時間(東海大学・後藤信哉教授)
No.4:珈琲を飲むとシミを予防できる
 紫外線を浴びるとシミができるが、その過程で影響しているのが活性酸素だ。紫外線により活性酸素が必要以上に増えると細胞にダメージを与え、メラニン色素の形成を促すため、シミの原因になる。
 活性酸素に対抗するのが抗酸化物質。若々しさを保つ働きが近年注目されている。珈琲に含まれるクロロゲン酸も抗酸化物質で、珈琲を飲む人は、飲まない人に比べ紫外線によるシミが統計学的に有意に少ないという学会発表もある。しかし、その働きは人体レベルでは解明されていない部分も多く、さらなる研究の進展が期待される。
No.5:飲むタイミングは食後がベスト
 カフェインが血中に到達し、交感神経が優位に働きだすのは摂取から約30分後。脂肪燃焼効果を高めるためには、珈琲は運動の30分以上前に飲む必要がある。朝に珈琲を飲めば、仕事や勉強の集中力を高める効果も期待できる。
 一方、糖尿病予防効果を期待するなら食事と一緒に取るのが正解。UCC上島珈琲R&Dセンターの実験によると、炭水化物とクロロゲン酸を同時に取ったとき最も血糖値上昇が抑えられた。飲食店では「珈琲はいつお持ちしますか」と聞かれることも多い。目的に合わせたタイミングを選びたい。
(ライター 中城邦子)
[日経おとなのOFF2013年11月号の記事を基に再構成]