藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分はどこに永住するのか

多摩地区は住民の9割が定住したい意向だという。
人は家族ができたり、年を取ったりしたらそういう指向に向って行くのだろうか。
あまり点々と住処を変えるのも疲れるけれど、できれば色んな町に住んでみたい、という心の奥底の願望のようなものがある。
けれど一方、どんな町に住んでも過ごし方次第で「住めば都」になることも知っている。

漢字も「町」と「街」では趣が違う。
街、と聞くと自分は京都とか、地方の「特色の強い街並み」を連想する。
逆に町、と聞くと住宅街の下町をイメージしてしまうのはなぜだろう。
それはともかく。

「今の町にずっと住み続けたいですか?」と問われると家族や周囲の人たちとの関係はともかく、「ここで最期を迎えるのは物足りない」と思うのは男性思考のようであり、女性はあまり変化を求めない人が多い、ということも周囲の女性たちに聞いて初めて気づいたことである。

結局「自分はどこへ住みつき、どこで最期を迎えるか」ということは遺言を書くのと同じでなかなかイメージし辛いことなのだろう。
自分たちはそれだけ「死」とは希薄なところで生きている幸せ者である。

どうせなら、早めに「終の棲家」と言えるような場所を見つけ、いや「そんな住処」がいつかは訪れるのだ、ということに気づいて「自分と定住する所はどこか」ということを考えてもよよいのではないだろうか。
かくいう自分も「職場に近ければいい」というだけでここ十年以上も点々としている。
いつかは落ち着く自分の巣を見つけたいと思ったのである。

多摩地域の住民9割「定住したい」
東京・多摩地域の住民の定住意向は9割を超え、住み心地への満足度が極めて高いことが都市長会の調査で分かった。

 一方、多摩地域という名称について、都区部や近隣県在住者の1割近くが認知していないということも明らかになった。
 調査は昨年9月、関東に5年以上在住の20〜69歳を対象にインターネットを通じて実施。都内のリサーチ会社に委託し、有効回答数は多摩地域内の在住者が4217件、多摩地域外(23区と山梨、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川県)の在住者が5104件。
 それによると、多摩地域のイメージでは、「公園が多く、豊かな自然に恵まれている」が、地域内在住者は80・3%、地域外が67・7%でともに最多。しかし、「全体的によいイメージ」は地域内76・4%、地域外39・4%、「日常の買い物に便利」は地域内61・9%、地域外25・3%と、大きな隔たりがあった。治安の良さや医療施設の充実度なども、地域内が上回った。
 総じて多摩地域への評価は住民ほど高く、それは定住意向の強さにも表れた。地域内在住者のうち、計92・6%が「ずっと」もしくは「当分は」住み続けたいと回答。近隣自治体の市民意識調査では、世田谷区83・3%、相模原市75・1%(ともに2013年度)、川崎市74%、横浜市62・6%(ともに12年度)で、多摩地域が大きく上回っている。
 一方で多摩地域外の在住者で、多摩地域の「名称も場所も」知っていたのは60・2%、「名称は」が31・7%で、「知らない」も8・1%に上った。
 「名称も場所も」「名称は」を合わせた名称認知度を都(23区のみ)県別で比較すると、トップは埼玉県の93・8%で、23区(93・6%)をわずかに上回った。
 最下位は茨城県の88・2%。23区で名称も場所も知っていた20歳代男性は62%、女性は50%に過ぎず、若い世代の認知度が特に低かった。
 地域外在住者の市町村名称認知度では、八王子市が98・8%で1位。以下、三鷹、立川、武蔵野、調布、町田、府中、青梅、多摩、国分寺、国立、小金井市と続き、13位の東村山市(93・1%)まで90%を上回った。
 この調査は、「多摩地域におけるシティプロモーションについて」と題する13年度の政策提言の基礎資料として実施。昨年の国体開催を機にさらなる地域活性化を図る狙いで、研究テーマにした。
 都市長会事務局の小林達哉企画政策室長は、「外から見る以上に、住民は多摩に良いイメージを持っている。暮らしやすさを始め、多種多様な魅力を効果的にPRすべきだ」と話している。

(2014年3月28日 読売新聞)