藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

背景に見えるもの。

スイスの所得一律分配制度の是非を問う国民投票が行われ、否決。
政治家筋は「開かれた国境の問題」つまりそれを目当てに移民が大量流入してはたまらない、ということもあると言う。
記事中にあるように、しかし「国民投票が起きるレベル」までの盛り上がりはあったわけなので、そこが重要なことだろう。

「所得保障」と称されるのは、数多あるその他の「福祉施策」と違って、ハナから一律に所得を分配するところである。
日本でも「生活保護」とか「母子給付」とか「子ども手当」というと、途端に行政マターになり、認可だの給付の水準だので一悶着ある。
全く話にならない政策だ、ということでもないような気がする。

自分が思うにベーシックインカム制は、誰もが「引け目を感じず」「安心して」所得がある、という心理効果が"一番の肝"だと思うのだ。

我が日本でも、毎日「老後破産」「介護破綻」などという記事を目にしない日はないが、1500兆円と言われる財産の6割以上を六十代以降の人たちが持っているというから、どうも「安心できない心理」が蔓延しているのに違いない。

さらに、もっと大事なのは「どんな風な老後にしたいか」ということの情報も少なすぎる。
介護の制度だけはやたらに増えているけれど、そもそものシニアライフというもについて、選択肢が少ないと思うのである。

知り合いの75歳以上の人に「楽しいですか?」と聞いたら「案外楽しいよ」と返ってくることも多い。
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日本は戦後のこれまでの影響で「自分なりの過ごし方」というのにまだ慣れていないのに違いない。
誰もが所ジョージ氏のようには生きられないかもしれないが。