藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

行政にも、IT進化はこれから始まる。

ずーっと民間の中小企業群にいて感じることは「大企業」とか「行政」の大きさとか、"行き過ぎ"の事。過剰なのだ。
自分の会社でも、規模が大きくなるにつれ「ルール」とか「不文律」以外に「規則」とか「法律」が跳梁跋扈するようになる。
それはともかく。

総務省が発表するCPI(消費者物価指数)は、実に草の根的な人海戦術で計られているとのこと。
他にも、家計調査とか、店頭調査とかアナログこの上ない。

これからのビッグデータは、こうした定点観測にも抜群に役立つに違いない。
むしろ既存の調査項目に適用されていなかったのが不思議ですらある。

これまでは、貿易の金額とかGDPとか地域別・業界別の成長率とか。
そんなものとは比較にならないくらいの精度で、これからは統計が活躍することになりそうだ。

何せ「センサー」さえ付いていれば、データは後からいかようにも加工できる。

国とか、地方とか、業界とか、そんな単位が「どのような動きをしているのか」ということも、これからはつぶさに把握することができるようになる。
国民が消費しようとしないのか、
どんな業種が伸びているのか、
家計は果たして縮小しているのか、
高齢者は何を望んでいるのか。

そんなことを、これからはセンサーたちが役に立ってくれるのに違いない。
「きめ細かい現場の情報」があってこそ、リーダーは判断の縁とすることができる。
これからのネットにはそんな「政治への底上げ効果」もあると思う。

統計大論争(2)3日で3万店調べるも…

 巻き起こる統計論争をよそに調査員は現場をかけ回る。

価格だけでなく素材や製造国も入念に調べる(静岡市イトーヨーカドー静岡店)

 9月14日、消費者物価指数(CPI)のもととなるデータの調査日だ。静岡市イトーヨーカドー静岡店。調査歴12年の女性調査員(49)は食品売り場を足早に歩き、迷わず目的のカステラを探し出した。「9円値下げしてますね」。204円と手元の紙に記し、すかさずハカリを取り出す。155グラム。前月より9グラム減っていた。

 CPIは全国3万の小売店に750人の調査員が出向き、3日かけて約460品目を調べあげる。1つの商品の平均価格を出すのに3〜6店舗を回る念の入れようだ。調査員が恐れるのは病欠。決まった日に調査できないと、正確な価格が出せない。静岡の調査員も「責任、大きいです」と表情を引き締める。

 総務省統計局で物価調査を担う梅田敬祐(37)は「実際に買える商品の値段を調べないと意味がない」と店頭調査の意義を強調する。ただ店頭をくまなく回っても、ネット販売の実相はとらえられない。時代とのズレを指摘されるゆえんだ。

 9千世帯のお金の使い道を調べる家計調査。単身者や共働き世帯の増加で、調査用紙に日々の支出金額を記入してくれる回答者が見つからない。回答に際しては年収、家族構成、家の築年数、入院中の家族の有無などもいる。協力を取り付けに行く女性調査員(64)は「生活がガラス張りになる」と表現する。

 回答者は家にいる時間が多い中高年の専業主婦に偏りがちとされる。若い人の動きはつかみにくい。東京都で35年の経験がある女性調査員(69)は「だって昔より会えないんだもの」。別の女性調査員(59)も「100軒回って会えるのは5軒かな。何度も、夜も行くんです」。

 調査員によると、回答をもらいやすかった高齢者も会うのが難しくなっているという。元気な人は働き、健康を害していれば病院や介護施設にいる。生活の現実が調査の限界を映す。

 総務省統計局は霞が関でなく、東京都新宿区に位置する。家計調査の作業部屋には、山積みの家計簿を前にパソコンに向かう120人の作業員の姿がある。暗記した品目番号に沿って金額を次々打ち込む。行徳響子(24)は言う。「私たちは期限を守り、正確に入力するんです」

 統計調査の裏にはひたむきな作業がある。時代とのズレを放置すれば、職人芸も宝の持ち腐れとなり、現場に徒労感を生みかねない。

(敬称略)