藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

振り返りながら。

リクルート出身の経営者が52歳で肉体改造を宣言したという。
先日も友人と話していて気付いたが、今は厄年よりは"五十過ぎ"に肉体的な転換があるようだ。
そして肉体の変化は、メンタルに直結する。

人生も明らかに後半になり、自分というものについて「自分にとっての絶対感」と「外部との相対感」が両方思い浮かぶ。
まあ自分というやつを、虚勢をはらずに「総括的」な眼で見始めるのじゃないだろうか。

僕はよく、いろいろなことを円に換算して考えるんです。
地球の歴史は46億年くらいで、人生は約100年ですよね。
これを円に換算すると、地球が46億円なのに対して、人生は100円。
人生の短さがよりリアルに感じられると思いませんか?

46億の地球に対して自分は100円。
俺は100円だ。
さらに

 これは子どもにもよく言うんですけど「祖先の、たくさんの愛があったからお前がいるんだ。その愛が1つでもなかったらお前はいないんだぞ」って。2のn乗で10世代さかのぼれば、1024人の愛があって、今の自分がいるわけですから。

10代前の1024人にとってみれば「向こうから見たら自分が見える」ということは違いなかろう。
親族はもっと広がって多数いるに違いないが、「少なくとも1024人は自分の関係者がいた」という事実も、今の自分を客観的に想像するのにはおもしろい視点である。

多分、昆虫は「自分はどこから来て、どこへ行くのか」とか「自分の一生とはなんだったのか」とは考えていない。
ただ生きながら、ただ生きているだけなのにそこに「何かの理由」を探すのが人間というものらしい。

考えずに生きるのもいいが、より深く考えた方が、どうも「意味深い過ごし方」になるのかもしれない。
自分たちは「来た道」を振り返りながら「これからを考える」ということの繰り返しらしい。

52歳で「自分史上最高のカラダ」になりました〈メンタル編〉<いま気になること>

4/20(金) 6:01配信

池 真之  51歳の経営者が、ある日Facebookで「肉体改造」を宣言。それから1年、「体のコンディションは今が最高!」になりました。  運動の方法や食事のとり方など、必ず自分なりの工夫を加え、トライ&エラーそのものを楽しんでいる池さん。  最終回である第3回では、今も更新中の「自分史上最高のカラダ」を支えるメンタルについてお聞きしました。 (インタビュー・構成:森本裕美)

人生はたった100円だからこそ、かけがえがない

 ―――40代後半から体のバランスが崩れる感覚があって、肉体改造を始めたとお聞きしました。誰もが体の衰えを感じる年齢だと思いますが、多くの人はなかなかそこまで踏み切れません。池さんの実行力の源泉はどこにあるのでしょうか。

池 自分なりに「生きてる感」を持ちたいからだと思います。僕はよく、いろいろなことを円に換算して考えるんです。地球の歴史は46億年くらいで、人生は約100年ですよね。これを円に換算すると、地球が46億円なのに対して、人生は100円。人生の短さがよりリアルに感じられると思いませんか?

―――全然違いますね。

池 僕の人生なんて、すごく小さい、一瞬なわけですよ。だからこそ、そういう中で「生きてる感」を持つことが、すごく重要だと思うんです。
 これは子どもにもよく言うんですけど「祖先の、たくさんの愛があったからお前がいるんだ。その愛が1つでもなかったらお前はいないんだぞ」って。2のn乗で10世代さかのぼれば、1024人の愛があって、今の自分がいるわけですから。

―――地球の歴史からみたら一瞬だけれど、かけがえのない人生。

池 そうなんです。イキイキとしていなかったらもったいない。
「筋トレ、大変でしょう?」と言われることがあります。もちろんしんどいときはあるけれど、苦しいことがあるからこそ楽しいことが活きてくるわけですよね。
 僕、人間にとって一番残念な状態は、生まれてこなかったか、死んでいるかだと思うんです。僕は幸いなことに生まれてくることができたけど、いずれ必ず死ぬ。それが自分にとっては最悪な状況。だから、それ以外は、苦しいことも痛い失敗をすることも、生きているからこそ体験できることであって、すべてありがたいと思うんです。

―――すごいですね。

池 いや、実際は、何か困ったことがあると、つい「最悪!」と言っちゃうんですけどね(笑)

――だとしてもやっぱり熱い。

池 それは多分、昭和だから(笑)。僕の子どもの頃は、『ドカベン』や『明日のジョー』や『空手バカ一代』など、スポ根マンガの全盛期でしたから。そういうスポ根的な哲学が、自分の中に刷り込まれてるんだと思います。

―――池さんは経営者なので、「体が資本」という意識も強くお持ちなのでしょうか。

池 そうですね。より実感に即して言うと、僕にとっては肉体改造とビジネスは一続きなんです。
 ビジネスというのは、要は、幸せになってもらう仕組みを作ったり、誰かの幸せに貢献したりすることですよね。そのためには、自分なりにちゃんとした体と心を持ってないとダメなはずです。

―――自分が良くないと、周りも幸せにできないということですか?

池 はい。体作りもビジネスも、自分と外側のバランスを取っていくという点で同じだと思います。体作りで言えば、「外側」は食事や運動で、食べる量や運動量と生身の体とのバランスが大事ですよね。ビジネスで言えば、社員、お客さん、取引先、あるいはエンドユーザーとの良い関係を築いていくことが大事。

―――そうですね。

池 以前勤めていた外資系の会社で、パソコンのセキュリティソフトを扱っていたんですが、当時、ゼロから立上げて、ありがたいことに、4年で売上が7億円になったんですね。日本の人口は1億2000万人ぐらいで、かなりの人がパソコンを使っている。だから、すごく大雑把ですが、日本中のすべての人から6円ずつ頂いていると考えることができる。
 そうやって、世の中の皆さんがお客さんだと思うと、電車で足を踏まれたり、道でぶつかられたりしても、腹が立たないんですよ(笑)。これが僕なりの、自分と外側のバランスをとるという考え方です。

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標準偏差的」に考えるのが、継続のコツ

 ―――毎日の運動や食習慣を継続するために、意識していることはありますか?

池 前にもお話ししましたが、ストイックになり過ぎないことですね。毎朝やると決めていても、あまり深く追い込まないことが大事だと思うんです。自分を追い込み過ぎると、結局それがやめる動機になってしまうので。

―――できなかった瞬間、挫折してしまう?

池 はい。「should」とか「must」じゃなくて「want」でいないと、やっぱり続かないと思います。「こうありたい」というイメージをしっかり持って、そのうえで、あまり心理的負荷をかけ過ぎないようにするんです。
 毎朝走っているとダメなときもあるんですよ。理想のペースは1キロ4分半なんですけど、「本当にダラダラだな」「もう6分近いよ」っていう。でも、それはそれで良しって思うことが、続けるためにはすごく大切だと思います。
 ダメなときがあれば、良いときもありますから。標準偏差的な感じで。

―――標準偏差

池 全てのものにはバラつきがあって、分布してるっていうことなんですが。
 会社で、2割の社員が8割の売上げに貢献していて、その2割の社員だけで会社をつくっても、また同じことが起こるみたいな、パレートの法則ってありますよね。上の方の2割をとっても同じ構造になるだけじゃなく、ダメな方を取っても同じ構造になる。結局、全てのものはバラついて分布するという考え方です。
 こういうふうに必ず分布すると思っておけば、うまくいかないことがあってもイライラしないし、帳尻を合わせればいいやと思える。まあ、適当なヤツにはなりますが(笑)。

―――いろいろ、考え方がユニークですね。

池 そうですか?
 実際、僕は本当にダメなヤツで、自分のダメさ加減を分かっているからこそ、継続できているんだと思います。

―――どういうことですか?

池 「自分は完璧だ」と思ったら、それで充分だと思って、そこで終わりになっちゃうような気がするんですよね。続けられない。
 でも実際の僕は完璧からは程遠い。「もっと良いコンディションにしたい」とか「もっと良い体になりたい」と思うから続けている。
 欲求があれば、人は、どんどん進化していける。だから、人間にとって一番の敵は、諦めたり、投げやりになったりすることだと思います。

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4/20(金) 6:01配信

「自分は26歳だと思ってるんです」

 ―――何かを求めなくなった瞬間に衰えていく?

池 はい。50歳を過ぎると、悠々自適に過ごしたいということで、新しいことにチャレンジしなくなったり、早期にリタイアしたり、いろいろなケースが出てきますよね。
 それはそれぞれの価値観だから構わないわけですけど、全体状況で言えば、今の日本で早くリタイアをする人が増えると、生産する人、働く人が減っていきます。
 世の中は、有形無形のサービスを提供する人と、サービスを受ける人とで成り立っている。みんな引退して、金だけ持って、後はサービスを提供してもらうだけになったら、世の中がギスギスしちゃいます。社会が回っていかない。
 だから僕自身は、できるだけ体を良いコンディションに保って、生きているかぎり現役でいたいと思っています。で、僕、120歳まで生きるつもりでいるので(笑)。

―――120歳ですか!

池 一般的な会社は60歳が定年ですよね。でも、120歳まで現役で生きるとしたら、60歳はその半分にすぎません。だから、今僕は世間的には52歳ですけど、僕の人生スケールで測ると、半分の26歳なんです。「僕は今、26歳だ」っていう感覚を持てば、自分の体に自分「オッサン」というレッテルを貼ることもなくなります。

―――池さん、ご自分のことを「オッサン」だと思っていないですよね。

池 はい(笑)。
 自分なりにマインドコントロールをして、26歳だと思っておけば、誰が相手でも謙虚に話を聞けるようになるし、吸収できるじゃないですか。自分がひとかどの人物だなんて思った瞬間に、成長は止まってしまいますから。

―――自分は、まだまだだと。

池 そう思っていれば、何かしら課題が見つかって、新たな目標を設定できます。
 僕の中では、「志」「感謝」「謙虚」というのが大事な考え方で、この3つを考えていると、必ず何か自分の中にテーマが出てくるんですよね。

―――志、感謝、謙虚ですか。

池 志というのは、自分が何をやりたいかということ。感謝は、いろいろな人に対しての気持ちだったり、物や環境に対しての感謝です。謙虚さは、先ほど言ったような、自分は駆け出しだという感覚ですね。

―――お話を聞いていると、やっぱりストイックだと思うんですが?

池 いや、その逆で、僕はエピキュリアン、快楽主義者だと思いますよ。
 これは僕の感じ方だと思うんですが、ストイックという言葉には、「我慢してやっている」「やらされている」というニュアンスがあって、それは自分とは違う。
 仕事とか家族とか仲間とか、すべてのことのコアになる体を、自分の意志でトレーニングして、最大限に力を発揮できるように作り上げていく。
 それは、生きていくうえでの、本当の欲求を満たしていることなんじゃないかと思うんです。人生は、時間と空間という点では有限ですよね。だからこそ、「自分史上最高のカラダ」を作り続けたいという思いが無限に広がります。

■池 真之
10X Vision株式会社 代表取締役。1966年生まれ。東京大学教養学部アメリカ学科卒業。1989年リクルートに入社。その後、数々の外資系IT企業で、セールスダイレクター、日本法人の社長を歴任。2015年から現職。

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