役者というのは監督に指名され、与えられた脚本を何度も読み込み、その配役に全身全霊でなり切ることを繰り返す職業だという。
与えられたキャラクターにふさわしくなるように肉体や風貌も改造するというから、その努力や情熱は並大抵ではない。
"仕事"として「まったく異なる人格を、何度も何度も演じ続ける」というのは、職業としては相当な苦労がありそうだが、それでも魅了されてしまう何かがあるのかもしれない。
と職業人としての俳優や女優の仕事については分析してみる。
けれど実は「自分たちも自分の一生でおそらく何かを演じている人」に違いないだろう。
果たして「人生の一幕」の中で、自分たちは初期には何を演じ、青年期には何を演じ、中年・熟年期には何を演じ、壮年・老年、そして晩年には何を演じているのだろうか。
自分の一生など「ある一幕の最初から終わり」であり、アンコールなどあるかどうかもわからない。
そして自分の人生の幕が全部で一幕なのか、それとも四幕あるのかを決めていくのも自分なのだと思えば、自分たちはみんな演出家であり脚本家でもある。
だから今日からでも「自分の演じる役柄」とか「人生の幕割り」などを考えてみるのはとても面白いことではないだろうか。
私はいま何幕目にいるのか。そして
これから先には何幕あるのだろうか。
たとえば"悪の軍団"の人たちも、そんな役割を考えてみればいいのではないだろうか。