藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

旬な私。

It's seasonal!
外人さんが言う。
しかし「シーズナルなタケノコだねえ。」というのでは、心が萎える。
旬。
シュンなのである。

しゅん【旬】<名>
1 魚介類や蔬菜(そさい)・果物などの、最も味のよい出盛りの時期。「―の魚」「たけのこの―」
(以下略)

yomiuri.com人生案内、より。
「恋愛経験ない高2女子」。
高校2年で恋愛経験がないことに不安になる女子。
涙が出てきます、とある。
これが純粋ということである。

それはともかく。
医師の海原先生の回答が絶妙である。

旬のものを探すこと。

あなたは「旬」という言葉には幾つかの意味があるのをご存じですか。そのうちの一つに「ものごとを行うのに最適な時期」という意味があります。

人生にもこうした旬があります。それは必ずしも年齢によって決められず、人それぞれ異なります。思春期になったから全員が恋をするわけではなく、年をとったから情熱が枯渇するわけではありません。

大切なのは、自分にとって、今何が旬なのかを感じ取り、それを一生懸命やっていくことです。あなたにとって今は恋の季節ではないのかもしれない。勉強や部活が旬なら、それに集中してごらんなさい。旬をいかせる人は恋の季節がやって来た時、それを逃すことはありませんよ。

自分にも、他人と比べることではなく、必ず「旬」があること。
他人と同じような旬を追いかけるのではなく、「今の旬」を感じ取ってみること。
旬とは、自分にとっては"オリジナリティ"なのである。

むしろ、今の自分にとって一番相応しく、光、脂の乗った部分。
「そういうもの」を自分に探してゆくことがオタオタしない、自分流の過ごし方なのだ。

ああ自分も、10代のうちにこんな言葉に触れていたら。

少なからず、これまでのように「周囲に影響されながら」の人生ではなかったかもしれない、などと思う。

ともかく、我われは(特に日本人は)他人と違うということに一種の恐怖を覚えることが多い。
そのような教育環境だったし、また民族的にもそうした性向は強いと思う。
だからといって「他人との同調」にあまり時間を割くこともない。
協調性、だけがすべての価値ではない。

周囲と溶け込みながらも、自分の旬を見逃さない。
実りの秋、はいつか自分たちに訪れるものなのである。

恋愛経験ない高2女子
16歳、高校2年生の女子。中学に入学して以降、一度も恋をした経験がありません。誰かから告白されたこともなければ、誰かと付き合ったこともありません。勉強も部活も一生懸命やっており、仲の良い友達も多いので、今まではそれで十分だと思っていました。

私は、恋の話をするのは大好きなんです。でも、自分にできる恋愛話がないので、友達の恋の話に入っていけません。周囲からは、恋愛に興味なさそうとか、好きな人がいないなんておかしいとか言われています。

ある雑誌には、高校時代に恋愛経験のない人は、大学でも彼氏ができないと書いてありました。それを読んで、私は将来結婚できるのか、今からとても不安になっています。

どうすれば好きな人ができて、付き合ったりできますか。私は理想が高すぎるのでしょうか。恋が一生できず、一人で生きていくのかと考えると、涙が出てきます。(茨城・N美)


好きな相手の話をする人の顔は幸せそうで輝いてみえるもの。そうした話ができなくて不安になってしまうのですね。

人生は季節と似たところがあります。夏にはセミが鳴き水遊びが楽しく、秋は読書にぴったり。秋にセミを鳴かせようとすると不自然なことになります。

あなたは「旬」という言葉には幾つかの意味があるのをご存じですか。そのうちの一つに「ものごとを行うのに最適な時期」という意味があります。

人生にもこうした旬があります。それは必ずしも年齢によって決められず、人それぞれ異なります。思春期になったから全員が恋をするわけではなく、年をとったから情熱が枯渇するわけではありません。

大切なのは、自分にとって、今何が旬なのかを感じ取り、それを一生懸命やっていくことです。あなたにとって今は恋の季節ではないのかもしれない。勉強や部活が旬なら、それに集中してごらんなさい。旬をいかせる人は恋の季節がやって来た時、それを逃すことはありませんよ。

(海原 純子・心療内科医)

(2011年10月15日 読売新聞)