-
- 人に騙された(多くは、お金を取られた)
- 寝過ごした
- ケンカをした
- 受注できなかった
- クレームを受けた
- 部下がミスをした
- 数字の集計ミス
- 言葉遣いのミス
- 書き損じ
- 納期に遅れた
- 報告し忘れ
そもそも、失敗とは何か?
で、混乱したので、辞書に聞く。
しっぱい 0 【失敗】
( 名)スル
やりそこなうこと。目的を果たせないこと。予期した効果をあげられないこと。しくじり。
⇔成功
「試験に―する」「―の原因」「―談」「彼を行かせたのは―だった」
――は成功(せいこう)のもと
失敗すれば、方法の誤りなど失敗の原因もわかるので成功へ一歩近づくことになる。失敗は成功の母。
三省堂提供「大辞林 第二版」より
とある。
ある、事態を予測した上で、その期待値に達しなかったこと、を指している。
「ゴールにたどり着けなかった」
「期待はずれに終わった」過去、というニュアンスである。
一方「ミス」はどうか。
である。
少し被っているが、ちょっとした失敗。
つまり、「あらかじめ予測した結果について、達成できたか否か」ではなく、「一瞬のうっかり」に起因するようなものか。途中経過、のような印象。
これも、辞書に聞く。
[miss]
1 : to fail to hit, reach, or contact
2 : to discover or feel the absence of
3 : to fail to obtain
4 : ESCAPE, AVOID
5 : to leave out : OMIT
6 : to fail to comprehend, sense, or experience
7 : to fail to perform or attend
intransitive verb
<by Merriam –Webster Dictionary>
※捉える、届く、接触する、当てるのに失敗すること
「何かが足りない」ということに気づくこと
あるもの得るのに失敗すること
となって、日本語の「失敗」と似たニュアンスと思ってよさそうだ。
失敗:予期した結果を得られぬこと
と定義することにする。
ハンニンハ、ダレデスカ?
では、
なぜ、人は失敗するのか?すなわち、
なぜ、予期した結果を得られないのか?
予期した結果を出すには、準備(努力)が必要である。
結果を出すのに「充分な準備」があれば、予期した結果を出せ、「失敗」は起こらない。
どうやら失敗とは「準備不足」が犯人のようである。
◇犯人の検証
充分すぎるほど、準備ができていたのに、期待通りの結果にならなかったことはあるか?と自問。
いくつか思い当たるものがあった。
1.5年前、客先でのプレゼンテーションに準備万端で臨んだが、プロジェクトは受注できず。
2.幼少時、充分に練習をしていたが、発表会で演奏に失敗。
3.昨年、充分なお金を持って中国出張に行ったが、お金が足りなくなった。
4.高校受験、充分に勉強してきたつもりだったが、志望校に落ちた。
と、これは私の経験…失敗なんてまだまだ無限に思い出す。
が、4つめで早くも気がついた。4.で「充分勉強してきたつもり」。
つ、も、り
単なる自己満足だった。
私は「そのつもり」でも、相手はそうは判断しなかったわけである。
実にばからしい。
「あなたはそのつもりだったようだけど、まだ基準以下ですよ」というものばかりである。
1.のプレゼンで、いかに将来事業か、についてあらゆる角度から説明した資料も、相手が成長性意外の何か(シナジーとか、社会性とかコンプライアンスなど)について関心が高ければ、全然充分ではない。
2.の演奏会で、一人だとミスなく、情緒をこめて弾けた演奏。
ところが、当日はリハーサルが充分できず、多数の聴衆の前で、
しかも前奏者たちの失敗や、成功の大拍手を聞いた後の演奏では、突然アタマが真っ白になり立ち往生したり、という日常では考えられない事態を惹き起こす。
いかなる達者も「手元が狂う」。
3.の出張時も同様、金不足は、出費を予想して、充分な準備をしておかなかったからである。
「予期せぬ出費」に対し準備はできていなかった。
『ハンニンハ、準備不足デス』
それ以外の犯人はいないか?
すべての失敗は準備不足が原因か?
『準備』とは?
じゅんび 1 【準備】
(名)スル
用意すること。支度すること。
「―に余念がない」「昼食を―して待つ」
三省堂提供「大辞林 第二版」より
支度すること。
何がこの先に起こるか、を想定して「支度」すること、とある。
(((関係ないが、この「支度」という言葉、なっかなか美しい日本語だと思った。
上品でつつましい語感。
江戸時代の武家の奥方が、これから旅に出る主人のために、旅中のいろいろな用度を想っ巡って、イソイソと準備している…
そんな姿が脳裏に浮かぶ私はちょっとヘンかもしれない)))
準備不足が犯人、ということは、準備が充分なら、犯人はいなくなるはずである。
では準備が充分なら、この世から「失敗」は根絶されるのだろうか…
た、たとえば先の武家の奥方が、これから主人の道中に起こるであろう出来事のすべてを予想し、それに対応した準備をするとどうなるか…
−出発の前日、夜更け…まず、殿が外ではどんな病気にかかるかもしれないから、薬は十分に必要だ。
気付け薬から、腹下し、あせもの薬に風邪薬、センブリ、どくだみ、熊の胆も。
またたく間に、風呂敷は一杯。
道中すがら、峠には夜盗や追いはぎもいるから、武器はとても重要だ。
刀は大振り二本に脇差を三本ばかり。手裏剣、小柄や弓のセットもあったほうが良いし、火薬だって必要になるかもしれない。
吹矢も。
どうも心配だから、長槍も用意しておこう。
もちろん、鎖帷子(かたびら)は着込んでもらわねばならない。
不意に斬り付けられた時に役に立つ。とっても重いが。
食料は、不意の事態に備えて丸一週間分くらいは必要だろう。
米と水は二升づつ、味噌、干魚、干肉、梅干にたくあん、塩昆布と。また風呂敷が増えた…
着物は旅先でも調達できるが、ここ一番、登城の際の一張羅だけは持っていかねばならぬ。
裃と袴、襦袢に褌、羽織、烏帽子に足袋、印籠、根付と。
また風呂敷が一つ増えたわ…
これらは最低身に携えて行かねばならないものだが、むろん、路銀は充分に必要だ。
途中で不慮の出費が必要なことは充分にある。
駕篭を使い、飛脚を出し、緊急の場合には馬を買うことだってあるだろうし、腕利きの浪人者を数名は雇わねばならないかもしれぬ。
なにより、お城への付け届けは充分なものを用意せねば、今後の出世にかかわる。
となると500両ほど必要か。そんなにうちにおカネ、あったかしらん…
あ、もしや、上意で切腹、なんてことになるかも。
じゃあ白装束一式と、辞世の句を詠む短冊に、筆、すずり。
あと首を包む白布も…
翌朝、主人が出発せんとすると、屋敷の前に小山のように積まれた風呂敷が…
−極端だが、およそ未来に起こるすべてのことに準備はできない、だろう。
(失敗という)「結果」からみて、本当はどこまでが準備不足だったか?を、失敗が起こる都度、分析したい。
その際、妥協は一切なし。
「ここまでは予測できなかった」とか「これはアクシデント(事故)だ」と安易に結論をくださないことだろう。
厳正に、足りなかった部分を洗い出し「記録する」。