藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

NTTデータ、年金照合プログラム、実費で

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_07/t2007070429.html


利益を上乗せせず、人件費と経費のみの実費で引き受ける方針を明らかにした。


「国民的な関心事なので利益を追求せず、不安感の解消に協力したい」と説明している。
社保庁にとっては開発コストの大幅な削減につながる。

同社はこれまで、30年間にわたって年金システム開発をほぼ独占的に引き受けてきた。


社保庁はまだ発注はしていないが、同社の方針はシステムをめぐって向けられている批判をかわす狙いもあるもようだ。


昔から、大手メーカには「官公庁担当」の部署があり、接待も含めルート営業のようにして、担当官庁を訪問していた。


その当時、最も営業力(つまり官公庁担当営業の数)があると言われたのはNEC野村総研


担当部の中にいくつも課があり、数百人が「官庁専門」に営業していた。


NTT民営化後、NTTデータもその規模を生かし、官公庁向けに気を吐いた。


この度、NTTデータ
「利益を上乗せせず、人件費と経費のみの実費で引き受ける」とのこと。


なぜだろう。


NTTデータは一部上場企業。


株主はそれをどう受け止めるのか。


また、「人件費と経費のみ」の経費とはどこまでか。


「国民的な関心事」という一点での英断か。


年金データ消失の原因


以前にもupしたが、この度のデータ消失、原因をたどれば
「顧客コード体系の設計ミス」だと思う。


これはシステム側のミスと、アナログ(業務上の)のミスが重なっていた。


100%業務を理解するSEがいなかったことは、様ざまな二次、三次被害の誘因となった。


これがわかっているので「実費引き受け」となったのではないか。


も少し突っ込めば、まず原因は完全にオープンにしてから
「実費でやります」
にしないと、何かおかしい。違和感がある。


システムのカットオーバではよくある話。


ユーザ(お客)とベンダ(システム会社)の間にある、埋まらなかった溝。


この話をはっきりせずして、「その先」に進むのはどうも不透明な気がするのだが。