藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

いやなことは、なくせるかもしれない。

学生時代のいやなこと


学生時代の勉強は、どちらかと言えば嫌なことだった。


楽しい教科、などももちろんあったが、それにしても
「行っても行かなくとも、どちらでもよい」のなら行かない
日の方がずっと多かったろう。


期末テスト、模試、入試、どれも「進んで受けたいマインド」の持ち主ではなかった。


客観的には「なぜ勉強するのか?」という根本的なことが理解できていなかった、と思う。


そしてむろん、どんな将来像を描いて「日々の勉強との関連づけ」をするか、ということについてもまったく発想は乏しかった。


教師(や親)は、むしろそういった部分に力を入れるべきだと思うが。


その後


社会人になっては。


「仕事そのもの」は自分にとっては嫌なことだろうか。


それとも「進んでやりたいこと」だろうか。


自分なりに目的にできることを探し、意味づけをし、毎日働いているつもり。


が、「経済的にまったく働く必要がなくなったら」どうなるか。


今とは違った「仕事」をしているだろうか、などと想像する。


仕事でいやなこと


自分にとって「生きるための糧(かて)以外の仕事は何か?」はともかく、
仕事をしていれば、嫌なことはいっぱいある。


むしろそんなことの連続とも。


・相手との交渉。
・顧客からのクレーム
・スタッフの不満
・業績見通し
・資金ぐり
・社内外の人間関係
・その他人とかかわることでのストレス


それらは厳然と、ある。


嫌なこと向き合う


実はこんなことに最近気づいたのだが。


その「嫌なこと」に何かのメリットを探す。


こんなことを書いている原因はピアノの練習なのだが。
一回二時間。


毎日毎日「ハノン(練習曲集)を弾かねば」とばかり思い。


一日間が空けば、それだけ回復には時間を要す。


せっかく今日終えても、またすぐ明日が来る。


まるで中学のクラブでの「基礎トレ」そのもの。


当時はクラブ活動の時間になったら「雨夜降れ!」とか「校舎よ崩れよ!」と本気で願っていたものだ。


で、最近思う。


止めればいいのに。と。


それでも止めないのは、四十を過ぎてこの度は割合はっきりとした「動機」があるからだ。


ある程度の「基礎体力」なくして音楽の表現はできない、ということが分かってきたのである。


そうして「止める」という選択肢をなくした。


どうせやるなら


「やることそのもの」に疑問の余地をなくす。


不思議なもので、その時点から開き直りが。


そして、そこでもう一歩前へ。


「どうせやるなら、何か楽しいこと探し」と。


例えば、
つまらない会議、は
「同じ時間を使って言葉を発して、いかに的を外せるか」のコンテストだ、と決めてしまう。


自分は審査員なので、
「Aさん、断トツトップ。すでに8回発言中、6回外し」などと評点する。


あるいは
「いかにムダな単語を発するか」の数を数え、記録する。
そして、その単語を研究して、例えば「正確な意思の疎通には使わない用語集」などを作ってもよい。


まあそんな皮肉なことでなくても、

何かしらの楽しみを、必ずみつけること

は意外に役に立つ。


前述のピアノの練習なら、最近は
・タイムトライアル、とか
・前日との比較でよい点を数える、とか
・面白い手の動きを探す(ちょっと説明しにくいが)


など、「どれどれ今日はどんなかな?」という目で臨むのだ。


どんな時でも、どこででも


例えば、駅や空港での長い待ち時間なども。


ただ待っているとイライラするものだが、
「空き時間はまずこの本から」とか
「お、単語学習の時間がきた」とか決めておくと苦にならない。


実際、空き時間だけで原稿を完成させる作家は、結構いるらしい。


コラムなどはそんな風にしたほうが返って新鮮だ、とも聞く。



例えば、会いたくない人とこれから会わねばならない。


「いやだなぁ」でなく、
「あんなに嫌なヤツと会う機会はそうそうない。
折角会うのだから、その性格分析とか表情とか外見とか、徹底的に観察できる機会だ」


これで嫌なヤツとの面会は、非常にユニークな視点のレポート一本、に化ける可能性が出てきた。


もし、「ああ、嫌だなぁ」という思いが頭をもたげ*1たら。


それはチャンスだ。


即、即座に「なーにか、楽しいことがあるはずだ。必ず。」と思いたい。


ばかばかしくとも『意識してそう思う』ことが重要。



なに、意外にあるものなのだ。


そうは言っても


この話、実は切り札がある。


どうしてもメリットを見出せず、気の進まぬ時にはどうするか。
あなたはどうだろうか。



私の切り札、

「フジノ、何を言っている。


すべては、修行だ」


これでたいてい、カタがつく。

*1:目立つようになる。擡頭<たいとう>する。「勢力を―・げる」「疑惑が頭を―・げてきた」by三省堂 大辞林 第二版より